「黄金のバンタム」を破った男
『海賊とよばれた男』で本屋大賞を受賞したベストセラー作家・百田尚樹氏による、ファイティング原田の半生を追ったノンフィクション作品。
ファイティング原田さんは、日本人初のボクシング世界チャンピオンになった白井義男氏に次ぐボクシング世界チャンピオンで、しかも日本人初の2階級制覇を達成した偉大なるボクサーです。
百田氏は現在の複数階級制覇と過去の複数階級制覇とでは価値がまるで違うことを力説していて、ファイティング原田さんの現役時代は1団体8階級しかないうえ(現在は4団体17階級+スーパーチャンピオンや暫定チャンピオンなどの制度がある)、世界チャンピオンに挑戦するには世界ランカー同士のサバイバルマッチを複数回勝ち抜かなければならなかった過酷な時代だったのだそう。
だからか、百田氏はKM田選手のようにマッチメークの妙でチャンピオンになった選手は認められないようで、本書のなかでも何度か批判をしています。
タイトルの「黄金のバンタム」とはブラジルが生んだ不世出の天才ボクサーであるエデル・ジョフレのこと。このエデル・ジョフレはとんでもない怪物で、バンタム級時代はファイティング原田さんに敗れるまで無敗を誇り、一度は引退したものの現役復帰後すぐにフェザー級チャンピオンを獲得し、負け知らずでチャンピオンのまま引退しています。つまりファイティング原田さん以外は誰も勝てなかった男ということ。いかにファイティング原田さんが傑出したボクサーであったのか、その偉大さがこの本のタイトルに込められているのです(ついでにエデル・ジョフレも)。
ちなみにファイティング原田さんは、敵地オーストラリアでフェザー級の世界タイトルにも挑戦し、惜しくも疑惑の判定で敗れています。しかし、オーストラリアのボクシングファンはファイティング原田さんのファイトに感銘を受け、後にオーストラリアのG1ホースが「ハラダサン」と名づけられたという逸話があります。
『「黄金のバンタム」を破った男』はボクシングファンのみならず、スポーツファン全員に読んでもらいたい一冊です。ファイティング原田さんのまるで修行僧のようにストイックにトレーニングに励む姿、相手を攻め続ける闘犬のような試合っぷりの記述にしびれまくります。おすすめでございます。
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