食品のカラクリ「魚」のヒミツ
別冊宝島の文庫版で、スーパーなどで売られている魚の食品偽装問題や安全問題、魚業界の裏話をまとめた一冊。
さすが宝島社といえるほど、現在の水産業界の矛盾をえぐっている内容なので、魚に興味がある人間ならば、かなり興味深く読むことができると思います。
そのなかでも、釣り人にもっとも関係する東京湾産のスズキについての記述を紹介。
東京湾は環境ホルモン(ダイオキシン)汚染が深刻で、スズキやタチウオなどのフィッシュイーターと、アナゴなどの底に住む魚が特にダイオキシン類の含有量が多いと報告されているんだそう。
しかも、隅田川河口部で捕獲されるスズキはダイオキシン汚染がより深刻で、身を40g食べるだけで厚生労働省が定める1日あたりの成人男性のダイオキシン許容量を超えてしまうほど。
「東京都では汚染された魚が食卓に上らないよう、漁獲地や魚の種類、サイズなどに規制を設けている。この規制では東京湾産で60センチ以上のスズキの流通を禁じている」
のですが、
「実は東京湾は日本でも有数のスズキの生息地。1年間に日本で獲れるスズキの約3割が東京湾産だという。(中略)その多くが『規制がなく淡白な味を好む京阪神へ流れ込む』」
そうです。
この本の記述を100%信じるなら、東京湾で釣ったスズキは食べないほうがよさそうです。さらに東日本大震災以来、ダイオキシン以外にも放射線問題もありますから、東京湾産の大型魚は食べるとリスクがあるかもしれません。
しかし『食品のカラクリ「魚」のヒミツ』は2009年に上梓されたものなので、情報は少々古いといえます。より正確な情報は厚生労働省や東京都などに問い合わせる必要がありそうです。
釣り人なら、『食品のカラクリ「魚」のヒミツ』は一読することをおすすめします。おもしろいです。
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