この季節よく釣れる魚のひとつがベラ。特に東京湾ではキュウセンがよく釣れます。
 

ただせっかくのキュウセンも「なんだベラかよ」扱いをして、邪険にする釣り人がまあ多いこと。弊サイト正会員のオダ マルソウダもそんな釣り人のひとり。

キュウセンはヌメリが強いうえに、けっこう磯臭さが強いから、嫌われるのもわからなくもないですが。

しかし、わたしのようなC級アングラーにとって、キュウセンはお友達。せっかく釣りに行っても本命魚は滅多に釣れないわけですから、こういう簡単に釣れてくれる魚をおいしくいただかなければ、魚を食べる機会がめっきり減ってしまいます。

そこで、わたし同様のC級アングラーのオダ マルソウダも、キュウセンが絶対に好きになるはずのキュウセンのから揚げをを紹介。

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まずは釣ってきたキュウセンを大きいボールに入れます。
 

ひと際大きいキュウセンのオスは、オダ マルソウダが釣った物。こんな上物を惜しげも無くくれちゃうのだから、馬と鹿なのか・・・・・・いやいや、うまさを知らないとはもったいないですね。

そしてキュウセンに混じってシロギスも1尾。キュウセンと同じ下処理を施しちゃいます。

キュウセンのヌメリを取るためにたっぷりと塩を投入。目安は全体にまぶすぐらい。
 

塩でキュウセンをよく揉んで、ヌメリを浮き上がらせます。最初は手でよく揉み込み馴染んだら、ボールをひっくり返してシェイキングするとべったりとヌメリが出てくるんですな。

ヌメリが浮き上がったキュウセンを水洗いすれば、大部分のヌメリと汚れが取れると思います。

さて、塩でヌメリを取ったのは捌きやすくするため。実は塩でヌメリを取ったぐらいじゃ、キュウセンの磯臭さは取れないんですな。

したがって頭と内臓を除去して水洗いしても、キュウセンはまだ臭いです。

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そこで処理したキュウセンに酢をドボドボドボと注いで酢洗い。
 

これがキュウセンをおいしく食べるためのコツです！　酢で表面とお腹を洗ってやると、あの独特の臭みが見事なくらい完璧に飛んでしまいます。

専門的に言うと、魚介類の臭みはアルカリ性のアミンという物質が原因なので、酸性の酢で洗ってやれば特有の臭みが中和されて吹っ飛ぶということ。

そもそもの身や皮が臭い魚は酢洗いしたところで臭みは消えないでしょうが、キュウセンはヌメリに臭みがあるので、酢で洗ってやれば簡単に臭みが取れてしまうのです。

また、酢は薄めたほうがいいともいいますが、から揚げや塩焼きにするなら酸味も香りも飛んでしまうので、薄める必要はないと思います。

それに酢洗いすると、汚れや取り残したウロコがけっこう取れます。
 

塩揉みと水洗いでは取れなかったこの汚れが、臭みなんだと思います。この酢洗いのひと手間を加えることで、バカにしていたキュウセンが味のある魚に様変わりします。

酢は味付けに使うわけではないですから、スーパーで買える一番安い穀物酢で十分。わたしは80円くらいの格安の酢と、味付けに使う高い酢を使い分けています。

酢は洗い流さず、キッチンペーパーで拭き取るだけでOK。
 

わたしは中骨以外はバリバリ食べたいので、酢洗いした物を一時間ぐらい置いておきます。酢の効果で、少しヒレの骨がやわらかくなるかなあと・・・・・・変わらないかもしれませんが。

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ここまで下処理したら、隠し包丁を入れて市販のから揚げ粉をまぶしてカラッと揚げるだけ。
 

中骨以外はバリバリと食べてしまいたいので、少し強めの揚げ具合にしています。それと下味をつけていないので味は薄いので、レモンと塩をパラリと振りかけると味がよくなります。

どうでしょう、いかにもおいしそうな魚のから揚げじゃないでしょうか？
 

ガブリとかぶりつけば、う～ん、うまい！　これだけしっかり揚げているのに、身の水分は失われずふっくらしていて旨味も十分。

フグ以上ではないですが、キュウセンもから揚げという調理法と特別相性のいい魚であると思います。

中骨をめくってみると、身は真っ白でかなり上質なことがわかります。
 

身の繊維が短いから、非常にやわらかくて食べやすい。これがバカにしていた魚かと、感動的な味わいです。

キュウセンをおいしく食べるには手間が掛かりますが、逆に言えば、手間さえ掛ければおいしいのだから料理のしがいがあるってもの。

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それにキュウセンは数がまとまる魚ですから、おいしく食べる料理法さえ知っていれば釣り人にとって非常にありがたい存在であるわけです。

かなりおいしい魚ですから、皆さん、キュウセンを食べましょう。コツは酢洗いです。これだけ丁寧に下処理をしてもまだマズイという人は、本質的に魚が嫌いな人だと思います。

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