一緒に語ろう! ~あるテーマを語り尽くす座談会~

第32回 自作釣り具のすすめ ~釣りは節約してなんぼ!~

  • 司会:友人・小野寺
  • 論客:佐藤 オキアミ、オダ マルソウダ
  • 収録:2014年8月某日 神奈川県横浜市・佐藤オキアミ宅にて収録

自作タコテンヤ

カゴ釣り、ウキ釣り、投げ釣り、ルアー釣りなどなど、自作釣り具をメインに使う釣り人は意外に多い。例えば、よく行く釣り場の状況に合わせた釣り具を自作すれば、釣り具自体のロストを防ぐことができるし、魚が釣れる確率をグッとアップすることもできる。釣具店で販売されているお仕着せのアイテムだけを使うよりも、釣りの幅が断然広がるのだ。
そして大型の釣具店は自作釣り具用のアイテムが意外にも充実していて、釣り業界も釣り具の自作を推奨しているといえる。また、自作した釣り具に魚が掛かれば嬉しさもひとしおというもの。

――今日は自作釣り具について語ってもらおうと思います。オキアミ氏はいろいろ作っていますよね?
佐藤 不器用だし、加工道具もあまりないから作れるものは限られるけど、作れるものは極力作るようにしてますな。でもさ、一番好きなカゴ釣りは自作派が多くて、カゴやウキなんてみなさんプロレベルで凄いよ。オレはウキは作れないし、まともなカゴも作れない。
オダ もうさ、アフターサービスさえ充実させれば商売になるレベルだよね。オレなんかカゴもウキも市販品だから、出来のいい自作カゴを使っている人が横にいるとめちゃ気が引けるもの。
――そういうオダさんは釣り具を作ったりしますか?
オダ ・・・・・・、オレはまったく作らないなあ。
佐藤 オダさんの何もやらなさ、いや何もできなさはけっこうなものだよ。前にハリスに結びコブを作ることすらままならなかったからね。こういうサイトを立ち上げてだいぶ経つけど、さすがにそれにはビビッた。
――・・・・・・、それは釣り具を自作する以前の問題ですねえ。
オダ ・・・・・・、オレは細かい作業が苦手なんです。しかも年々指先への神経伝達が悪くなって・・・・・・。
佐藤 でも結びコブだとかエダスを結ぶとか、小中学生レベルの基本は抑えるべきじゃない?
オダ すみません、Maioka FC をもっとよく見て研究します。もうオレの話はいいじゃない。
佐藤 ああ、でも今の話でちょっと思ったけれど、釣り具というか、仕掛けの自作は重要だと思う。オレさ、今年の冬はよく投げ釣りをやったんだけど、仕掛け作りの重要性を感じた。
――ほう、それはどうして?
佐藤 あのさ、投げ釣りって要は底釣りでしょ? 釣り場によって底の状態ってかなり違うじゃない。もっと言えば、同じ釣り場でも距離によって全然違う。よく行く釣り場に合わせた仕掛けを作ることで、手返しもよくなるし、仕掛けの回収率も上がるから、せっかく掛かった魚を多く取り込めるのよ。
――具体的にはどんな仕掛けを作ったんですか?
佐藤 捨て糸仕様の胴付き仕掛けだね。そこの釣り場はさ、基本的には砂泥底なんだけれど、けっこう強い根が点在していて、天秤なんかだと十中八九ぐらい根に取られちゃうわけ。だから捨て糸にすれば取られるのはオモリだけで済むし、そりゃ、たまにハリが根掛かって仕掛けをロストするけれども。
――でも釣り場に応じた仕掛けを用意することは自作釣り具の原点でしょう。
佐藤 まあ、仕掛けも釣り具とするならね。その投げ釣りでさ、意外に自作する人が多いアイテムがオモリだよね。オモリってホント根に掛かりやすいし、オモリの形状で飛距離なんかも全然違うし。
――オモリの自作は鉛を溶かしてですか?
佐藤 そういう人もいるだろうけど、ジェット天秤のオモリだけ取り出してアレンジを加えるとか、または小さな中通しオモリを数珠状につなげて使うとか、そういった人が多いように思う。本格的な投げ釣り師のアイテムは、アイデアが詰まっていて凄いよ。
――ウッドシンカーなんかも元々は自作アイテムっぽいですよね。
佐藤 多分にね。それに天秤もそうだよね。スーパーシグナルを作った人は本当に頭がいいと思う。だけどさ、原理を知っちゃえば、なんちゃってスーパーシグナルは自作できちゃうよね。ちょっとヤル気を出せばさ、ステンレス線を曲げるだけなんだし。
――個人で使う分には問題ないですしね。
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オダ あの、オレも話題に入っていいかな?
――え? ああ、どうぞどうぞ。
オダ ヒドイよね~、すっかり蚊帳の外だよ。あのさルアーを自作する人もいるじゃない? でもさ、現代においてはルアーの自作は趣味でしかなくないかな? 自作のルアーのほうが市販品よりも優れているなんてことはある?
――・・・・・・、久しぶりに発言したと思ったらなかなか鋭いというか。
佐藤 ・・・・・・、確かに鋭いかも。ルアーは自作のほうが釣れるとか、性能がいいとかはいえないかもね。
オダ 例えばさ、ハンドメイドルアーメーカーなんかも、ひと昔前はいくつかあったと記憶しているけど、最近はまったく聞かなくない? ほとんど大手のルアーに淘汰されてしまっているというのかな。ズイールなんていい例でしょ?
――う~ん・・・・・・。ハンドメイドルアーの性能が劣るということではないと思うんですけどね。
佐藤 価格と見合わないんでしょう。大手はルアーの設計士のレベルが高いうえに、名うてのルアーマンを迎えてテストをしているからねえ。しかもプラスチックルアーは大量生産できるから、木からひとつひとつ切り出すハンドメイドよりもはるかに安価で提供できるわけだし。
――プラスチックのほうが品質も安定していそうですしね。
オダ だから必ずしもルアーは自作する必要はないんだと思うんだよな。
佐藤 品質に関してはそうだろうけど、個人で作るには娯楽になるし、経済的だからね。何よりも自作のルアーで魚が釣れたら嬉しくない?
オダ そりゃあ、嬉しいでしょう!
佐藤 オレなんて自作仕掛けで釣れただけで嬉しいんだから。でもさ、釣り具の自作って、要は経済的な側面が大きいと思うよ。オレがなんで遠投カゴの自作を始めたかっていうとさ、
オダ 暇だからでしょ?
佐藤 否めない(笑)。そうじゃなくて、両軸遠投カゴ釣りを始めたばかりの頃さ、ホント、バックラッシュでブッチンブッチン道糸を切っちゃってさあ、恐ろしい勢いでカゴとウキが海の藻屑と消えていくのよ。それでさ、当時VIPプロジェクトのウキとカゴで揃えたりしていたから、天秤やクッションゴムなんかも含めた一式を失うと、合計5,000円ぐらいになっちゃうの。5,000円だよ、5,000円!
――それはちょっと厳しいですよね。
佐藤 5,000円あればシコタマ酒が飲めるしさ、キャバクラだって余裕で行けるよ。それがロストが一回ならまだしも、下手すぎて2~3回はぶっち切ってたからやってられんと。
――一体、キャバクラ何回分だよと(笑)。
佐藤 だからといって両軸遠投カゴ釣りはタックルを揃えちゃったからやめるわけにはいかないしってことで、せめてカゴだけでも作ろうって決めたのさ。
――カゴを自作すれば今までの費用の何分の一かで済みますね。
佐藤 幸いにも自宅にドリルがあったから、手間はかかるけれどなんとか作れるかなって。
――ネット上にはカゴの作り方とかけっこう紹介されていますし。
佐藤 そうそう、それで言いたいことがあるんだけどさ、釣り人ってなんておせっかいで優しいんだって思うよ。だってさ、作り方を紹介したって金にならないんだよ? しかもさ、広告も出していない人も多いから文字通り一銭にもならない。
オダ あなたも近いことやってるじゃない。
佐藤 でもオレは広告を出して数円レベルだけどお金は得ているもの。
――カゴの作り方もそうですし、各種ウキの作り方やルアーの作り方も紹介されていますね。
佐藤 だからひと昔前よりも圧倒的に釣り具が自作しやすい環境にあるんだよ。消耗の激しい釣り具は極力自作したほうがいいと思うな。
オダ 竿とリール以外は極力安く、が持論だよね?
佐藤 そうです。釣りを一生の趣味にするなら、収入にかかわらず常に節約しないと長くは続けられないですよ。多分にね。
オダ そういえば釣りを続けたいからキャバクラ通いは卒業したって言ってたもんね。
佐藤 かなりの回数行ったけれども、結局オレにはなにも得るものがなかった。悲しいことに。
――大丈夫です、わたしも彼の場所で得たものはひとつもありません。
オダ オキアミが抱いている悲しさはオレも100%共感できる。思い返せば苦々しい記憶しかない!
佐藤 オレたちは、キャバクラ<釣り、ってことで一致団結して頑張りましょう!
オダ それはそれで、悲しいけれど・・・・・・。

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