980円の竿で始める魚釣り!
これまた図書館で借りた一冊です。著者は元サンケイスポーツ釣り欄デスクを務めた野口哲雄氏。
「フナやハゼ、タナゴ、手長エビといった身近な魚を相手にするのなら、釣り具店で売っている1000円以下の竿でも充分に楽しめる」
という想いで本のタイトルを『980円の竿で始める魚釣り!』としたそうですが、内容はといえば、著者がおそらく何万円もかけて職人に製作させた和竿でのフナ釣りをメインに紹介するエッセイです。
読み進めるにつれて気が付くのは、著者は道具に対するこだわりが半端でなく強く、例えば、船釣りでアナゴを狙う際もリール竿は使用せず、手バネ竿という昔ながらの江戸前釣法に固執し、980円のコンパクトロッドで楽しむ釣りを紹介してはくれません。
しかも終盤には、980円のコンパクトロッドでは到底不可能な、オーストラリアとニュージーランドにおける大物釣りを紹介してしまうという大いなる矛盾を露呈してしまうのですが、こうなってくると私的には、著者よりもこの本の担当編集者に疑問を持ってしまいます。
驚くほどタイトルと内容がかけ離れてしまってはいますが、釣り好きおじさんのほのぼのエッセイとして読む分には非常に楽しめ、ハゼ釣りや手長エビ釣り、フナ釣りのポイントマップもあるので、釣りの参考書としても役に立つかと思います。
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