釣りとはまったく関係ないけど、管理人が選ぶ伝説の名勝負

第4戦 美味しんぼ 第31巻 「鍋対決!!」 山岡士郎vs海原雄山

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美味しんぼ31巻

日本中にグルメブームを巻き起こした社会派マンガ。 主人公・山岡士郎が、自身が勤める東西新聞社の創立100周年記念企画“究極のメニュー”の担当者となり、同僚の栗田ゆう子とともに究極の美味を探求する。 山岡と栗田が究極のメニュー作りを進めるなか、ライバルの帝都新聞社も“至高のメニュー”作りを開始し、 総指揮に書家、陶芸家として当代一の名声をほしいままにし、現代最高の食の達人と評される山岡の実父・海原雄山が就任する。 程なくして究極のメニューと至高のメニューは週刊誌上で対決することになったのだが、海原の実力は凄まじく、山岡は幾度も敗北を味わわされることとなる。 果たして山岡は、そびえ立つ海原の牙城を崩すことができるのか・・・。

1R 呉越同舟、団からの提案で鍋勝負

第4戦ももちろん美味しんぼ。週刊タイムの発行元・大研社をM&Aで買い取ったIT企業社長・団一郎社長のはからいで、究極側と至高側、両サイド関係者全員が一同に会す新年会が催された。呉越同舟、うまいフグ鍋をつつきながら宴もたけなわ、東西新聞社社主・大原の提案で、次回の究極vs至高の題材を団が決めることになった。 しばし熟考後、団は鍋料理での勝負を提案する。山岡は了承をするが、海原が「愚か者」と一笑に付す。例えば博多のアラ鍋のように、鍋は土着料理と呼べる代物であり、それらを差し置いて究極だの至高だのを繰り広げたら、読者に不快感を与えるというのだ。

そう言われて焦った団は題材を取り消そうとするが、言った本人の海原がたしなめる。

「私は、誰もが納得し喜んでくれる至高の鍋料理を作る自身がある」

と自信満々。この海原の恐ろしいまでの自信を見せ付けられた山岡も引くに引けず、結局、不利とはわかりつつも鍋料理で勝負を受けることになってしまった。

2R 足りないのはもてなしの心・・・・・・しかし鍋料理の核心は掴めず

新しい材料は考え付かないほど出尽くされている鍋料理に悩む山岡と栗田は、審査員の一人である京極万太郎を馴染みの店「岡星」に呼び出し、カキとヒラメのホワイトソース鍋を試食してもらう。 京極は「あひゃあ!」と叫び、栗田は「ヒラメがシャッキリポン」とオノマトペを駆使するほどのうまさに仕上がっており、これなら大丈夫と山岡は胸を撫で下ろすが、京極から「しかし、とても海原さんには勝てんな!!」と断言されてしまう。 京極がその理由を説明しようとしたその時、天下の奇人であるとともに、稀代の茶人・丿貫(へちかん)が岡星に来店する。

丿貫はお茶をたてるため岡星で使用している高尾山の名水を請いに来店したのだが、丿貫を知る京極と岡星はいてもたってもいられず、店を飛び出し丿貫の後を追うのだった。すると丿貫は浮浪者たちと茶会を開いており、その自由自在で一切の虚飾のない茶人としての姿勢を、山岡たちも目の当たりにする。 そして京極はホワイトソース鍋には丿貫の心が足りないと告げるのである。

そこで山岡と栗田は、京極と山岡の祖父代わりの唐山陶人に丿貫を改めて紹介してもらうことに。丿貫は神奈川県の丹沢に暮らしており、そこで山岡たちは茶釜で煮た粥と、同じ茶釜で沸かした湯を使ってたてたお茶をごちそうになる。どれも粗末ではあったが丿貫のもてなしの心に触れ、山岡たちは心からくつろぐことができたと紹介してくれた京極と唐山に告げる。

「このあいだの鍋はたしかに旨かった。味だけから言うたら上々の出来や。けどな、食べ終わったあとに、丿貫先生にもてなしを受けたあとのような心持ちになれるやろうか。
(中略)海原さんは、きっと丿貫先生のもてなしのこの後味と同じ後味を与える鍋料理を、用意して来るに違いないからや」

と京極は、山岡と栗田に先日の鍋に足りない要素を改めて伝えたのであった。しかし鍋料理の核心を掴みかねている山岡たちに、京極は余計な助言をしてしまったかもと一抹の不安をおぼえる。

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3R 究極のメニュー、万人が喜ぶ万鍋(よろずなべ)で勝負

いよいよ鍋勝負当日、今回の勝負には特別審査員として丿貫も参加。山岡は丿貫から教わったとして「鍋料理は、どんな材料でも作ることができて、初めて会った者同士でもすぐ仲良くなれて・・・・・・心の底からくつろぐこともできるのが一番よいところです。(中略)そのもてなしの心を鍋料理で究めようというのが、究極の鍋料理です」と究極の鍋・万鍋を紹介する。 誰にでも喜ばれるというコンセプトの鍋だけに材料は豊富で、魚介6種、肉類5種、つみれ類3種に加え餃子にシューマイ、ワンタン、餅やキリタンポ、うどん、各種野菜、さらにタレと薬味も十数種類が揃う。 栗田が続けて説明する。

「万鍋は材料を究めるのでもなく、調理法の洗練度を究めるのでもなく、もてなしの心を究めたのです。このもてなしの心を究めるという一線を守れば、全国どこでもどんな材料を使っても、食べ終わったときに楽しくなれること請け合いです。だから、万鍋を私たちは究極の鍋料理としたのです」

そして山岡が「我われは、このもてなしの心を、(中略)丿貫先生に教わったのです」と説明するが、そう言われた丿貫は「キョトン」してしまい、京極は山岡たちが丿貫のもてなしの心を履き違えていることを確信する。そして海原からは「これがもてなしの心とは笑止千万! 究極の鍋料理やぶれたり!」と宣言されてしまうのだった。

4R これぞ海原の実力! 至高の五大鍋で究極のメニューを粉砕

海原が用意したのはスッポン鍋、フグチリ、アワビのシャブシャブ、ハモとマツタケの鍋、カニ鍋の五つ。ただし紹介する順番は鍋の位づけとはまったく無関係で、どの鍋もなにもかも突き抜けた至高の一品だと海原は説明する。それぞれの鍋を食べた審査員たちは、究極のメニューの万鍋とは一味もふた味も違う至高の五大鍋に悶絶。そして最後に供されたカニ鍋を食べた一同は悶絶どころか、意識が別世界にトリップしてしまうほどのうまさだったのだ。 トリップした別世界から意識を取り戻した審査員たちに、海原は「審査を始められる前に、少々申し上げておきたいことがある」と説明を始める。アワビのシャブシャブは究極側が確立した調理法であること、ハモとマツタケの鍋とカニ鍋の情報は究極側も把握していたこと、したがって究極側もその気になれば至高のメニューと同じものを出せたことを伝えた。当然、会場はどよめきに包まれる。ではなぜ、究極のメニューは万鍋なのか?

「まず究極側は、鍋料理の本質を心得違いしている。鍋料理はいっしょに食べる人同士がくつろぎ、心を通い合い親しくなれる、またそのための料理だと言う。しかし、それならなにも鍋料理に限ることではない。(中略)だいたい人と人とが心を通い合うのに必要なのは、鍋料理がいいかバーベキューがいいかなどという技術論ではない。それこそもてなしの心なのだ!
(中略)鍋料理の本質はなにか考えるがいい。本質の一、フグはチリにするのが一番旨いからチリにする。スッポンも、アワビもカニも、ハモとマツタケも、鍋にするのが一番旨いという必然性があるからだ。本質の二、鍋は食卓で調理するところに最大の意味がある。調理する場所と食べる場所に距離がない。それはなにを意味するか。熱だ。料理がごく熱いうちに食べることができる。熱いまま食べることの旨さを理解してこその鍋料理なのだ。以上、二つの本質を追求してこそ究極とか至高の鍋料理と言える」

と海原は、鍋料理の本質を外し、間違ったこだわりに固執してしまった結果が究極側の万鍋なのだと非難する。山岡と栗田は「あんな高価な材料を使った鍋の方が!」「素人には調理できないような鍋料理が・・・・・・!」と反論するが、海原の鍋料理の姿勢に丿貫も「私は海原さんの料理が好きだな。山岡くんたちの料理よりずっと素直じゃよ」と賛同する。そして丿貫はもてなしの心とはなにか、山岡たちに諭すように語る。

「お二人は、もてなす心と、相手に気に入られようと媚を売る気持ちとを、取り違えたのではないかな。あれもこれもととりそろえ、誰の趣味にも合うようにできているが、もてなされる方はうんざりする。
(中略)一方、海原さんの料理は単純明快、これ以上の物がない美味しい鍋料理を食べさせてやりたい、その心がみなぎっている。カニはこうして食べるのが一番旨いという信念があふれている。(中略)我われはその海原さんの世界を見せられて、さあどうぞと招かれる。そこには、いっさいの媚がない。自分の裸の心まで広々と開いて、そこに招いてくれる。それが真のもてなしだ」

この丿貫の言葉が決定打となり、軍配は至高のメニューに上がる。鍋料理の本質、もてなしの本質を掴めなかった山岡たちは黙るしかなく、完膚なきまでに叩きのめされてしまった。海原雄山、横綱相撲の完全勝利である。しかし、次戦の「豆腐対決」で不屈の男・山岡士郎は、海原を狼狽させるほどの復活を見せることになるのだが、それは次回にて。それにしてもこの一戦こそ、まさに名勝負と呼ぶのにふさわしい。

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