一緒に語ろう! ~あるテーマを語り尽くす座談会~

第6回 アジ、サバ、イワシについて ~僕たちヒカリモノマニア~

  • 司会:友人ONO
  • 論客:佐藤 オキアミ、オダ マルソウダ
  • 収録:2013年2月某日 JR東日本・横須賀線下り車内にて

ウルメイワシ

この写真はウルメイワシとマイワシで、サビキで釣ったもの。イワシの群れは時に岸壁際まで寄ることがあり、足下のサビキ釣りで大釣りすることができる。 ただし歩留まりが非常に悪く、バケツなどに放置しているとすぐにダメになってしまう。イワシは釣られると大暴れするので、首をパキッと折ったうえで、水氷に漬けるのが一番。 鮮度を保つことができれば、2~3日はお刺身で食べられ、それ以降も生臭くなりづらいのでフライやツミレなどにしておいしい。お試しあれ。

――以前オキアミさんは、釣った魚で一番おいしいと思ったのはアジ、サバ、イワシとおっしゃってましたよね?
佐藤 そうですね。ちょっと言わせてもらうと、マダイやイサキ、アオリイカなんかは高級魚の部類に入るから、漁師にしても市場にしても取り扱いが丁寧だと思うんですよ。 だから寿司屋とか割烹なんかで食べても、釣り物と遜色ないというか、料理人の腕が優れている分、それ以上においしいと感じるんですよ。 でもね、アジ、サバ、イワシって、マダイなんかに比べると、漁師にしても市場にしても、それこそスーパーにしてもね、扱いがはるかに雑な気がする。
オダ スーパーはひどいよね。トレイにポンって置いてあるだけだもん。
佐藤 そうそう、せっかく型のいいイワシなのにさ、丸のままトレイに置いてしまえば鮮度なんて落ちるに決まってるじゃない。イワシなんて特に鮮度が落ちやすいんだから、水氷に漬けておかないとすぐ内臓の血の臭いが身に移ってしまうよ。
オダ トレイに置いてもいいけど、せめて内臓は取っておくべきだよね。
佐藤 うん、イワシやサバは特に内臓に血の多い魚だから、トレイに入れて販売するなら内臓は取ったほうがいいと思うね。
――オキアミさんは釣った魚はどうやって保存しているんですか?
佐藤 まずね、保存どうこうの前に、オレはアジ、サバ、イワシが釣れたら必ず首を折って血抜きをします。それでサバや大型のアジの場合は、肛門からハサミを入れてお腹を開いて内臓を取り出して、 首も血の多い部分なのでハサミで切り落とす。さらに背骨に沿って血合いがあるから、指でしごいて血を抜いたうえで、水氷に入れるようにしています。
オダ オキアミが血合いを指でしごいているのを初めて見たとき、感動したわ。そんなことやってる人間、見たことなかったもん。それ以来、オレもマネしてやってるけどね。
佐藤 オレのモットーは“爆釣よりもうまさ優先”だからさ、魚を丁寧に扱うことを心がけていますよ。まあ、処理した魚をビニールでくるんで水氷に入れればもっといいんだろうけど、さすがにそこまではやらないかな。
――なるほど、どうして血合いをしごくようになったんですか?
佐藤 前にテレビでね、北海道でホッケ漁をやっている漁師がさ、ホッケの干物を高く売るために、ホッケを獲ったらすぐに船上で締めてたのね。 それでさ、干物に加工する前に、まだ背骨の周りに血が残ってるって、針金をブッ刺して血合い部の血を完全に抜いてたのよ。それを見てからだね。
――ちゃんと理由があってのことだったんですね。
佐藤 当たり前だよ(笑)。
――その処理をしたうえで自宅ではどう保存しているんですか?
佐藤 自宅はビニールにくるんでチルド室に入れてます。きちんと処理してあげるとさ、ヒカリモノでも2~3日経ってもおいしくお刺身で食べられるからね。
オダ そうそう、ヒカリモノってクセがあるって言うじゃない? それが全然ないのよ! これが本当のうまさだったのかって感動したもん。
佐藤 オレもそうで、だから釣った魚のなかではアジ、サバ、イワシが一番うまいって感じたのよ。
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――オダさんはどうですか?
オダ オレもアジ、サバ、イワシは全然違うって思ったね。オレさ、一度買ったサバで当たってるから、釣ったサバで安心して「しめ鯖」が食べられるのが嬉しくってさ。
――ええ!? 当たったことがあるんですか?
オダ うん、昨年のことだよ。魚屋ででかくていいサバが丸のまま売っててさ、魚屋もしめ鯖にするのがおすすめっていうから作ったのよ。 そしたらその日の深夜に、猛烈な腹痛で目が覚めて、翌朝医者に行ってみたらアニサキスだって言われた。魚屋を恨んだね。
佐藤 親御さんも当たったんだっけ?
オダ そうだよ、妹以外全員当たってさあ。たまに実家に帰ったから、気合出してしめ鯖作ったらえらい目にあったよ。
佐藤 サバはさ、内臓にアニサキスがいる場合があるからね。
――アニサキスは身じゃなくて内臓にいるんですか?
佐藤 基本的には内臓じゃないかな? 前にソウダガツオの腹をかっさばいたら、アニサキスがウニャウニャ入ってたことがあったよ。
オダ 魚が死ぬと、内臓にいたアニサキスが内臓を食い破って身に進入するって聞いたことがあるよ。
佐藤 それ、オレも前に聞いたなあ。でもどちらにしてもさ、腹を開いてアニサキスがいたら、申し訳ないけどその魚は海にポイしちゃうなあ。ホント、申し訳ないって思いながら。
――それはしょうがないですね。生食じゃないとおいしいとは言えない魚もいますからね。
オダ だから釣ったサバは一応の判断基準があるから、まだ安心して生で食べられるよ。それでも当たっちゃったら諦めるしかないね。
――最後に、アジ、サバ、イワシのおすすめの食べ方を教えてください。
オダ う~ん、基本、お刺身かしら・・・・・・。
佐藤 サバはしめ鯖がうまいよね。沿岸から釣れるサバってほとんどがゴマサバだから、火を通すとオレは金属臭を感じるんだよね。生だと感じないけど。
オダ イワシはフライやツミレもおいしいね。釣り物のイワシで作ったツミレ汁は、翌日に残りを食べてもまったくクサミがないですよ。
佐藤 アジは刺身、開き、フライ、南蛮漬けとか。
――意外と普通ですね・・・・・・。
佐藤 そう、冒険ができないタイプです。マルソウダなんてその極みだよね?
オダ ええ。常に無難であることを心がけていますから。

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