一緒に語ろう! ~あるテーマを語り尽くす座談会~

第43回 スピニングリールについて ~汎用モデルがおすすめ~

  • 司会:友人・小野寺
  • 論客:佐藤 オキアミ、オダ マルソウダ
  • 収録:2016年3月某日 横浜市戸塚区・中華料理店「栄海」にて収録

ダイワの汎用スピニングリール「フリームス」

釣りに絶対に欠かせないスピニングリール。多くの釣りで用いられる使い勝手のいいリールで、エサ釣りやルアー釣りはもちろん、近年はマダイのひとつテンヤなどにも用いられています。
スピニングリールの最大の特長はライン放出の手軽さ。誰でも簡単に仕掛けを前に飛ばすことができ、特に細いPEラインと相性がよくトラブルレスの釣りが楽しめます。また、ドラグも非常にスムーズであり、最近はハンドルのパワーも十分です。
特性として両軸リールよりも価格で性能が上下しづらいため、汎用仕様のものでも十分な性能が備わる。

――久しぶりの一緒に語ろう!は「スピニングリールについて」というテーマです。
オダ いやいや、あのさあ、オレの知り合いで元釣り情報誌の記者だった人がいるんだけれど、その人はルアーマンで、竿、糸、ルアーにはお金をかけるけれど、リールは最低限の機能でいいって言うんだよね。奇しくもオキアミが言うことと合致していて。
佐藤 へぇ~、そりゃ、嬉しいねえ。釣り情報誌の記者だった人と意見が一致するなんて。
オダ その人が観察したところによると、釣りを始めたばかりの初心者ほど、リールはシマノのステラだとか、ダイワのモアザンだとかを揃えがちなんだって。お金のかけ方を間違えているなあって度々思うんだってさ。オキアミも同じこと言うじゃない。
佐藤 ま、スピニングリールの場合はね。リールって基本的には糸巻きだからさ、糸を巻く、糸を放出する、魚が掛かったらドラグが機能する、その三つがあれば基本的にはどんなリールでもOKというかね。
――それ以上は求めないですか?
佐藤 いや、それ以上はというか、それ以外になんかあるかな? レバーブレーキとか特殊なものを除けば、スピニングリールに求める性能って、巻く出すドラグ、の三つでしょう。
――ということは、高い安いの差って何なんでしょうか?
佐藤 う~ん、そりゃあ高くて良い物を使うに越したことはないと思うよ。
オダ 釣具店で高いリールを試してみると、確かに回転が滑らかで全然違うよ。
佐藤 でもそれだけなんだよねえ。今時、まともに糸が巻けないバカリールなんてほとんどないしさ、ダイワやシマノの汎用モデルは性能が素晴らしいからね。今まで使っていて、それで使いにくさを感じたことがまったくないよ。
オダ 高いリールを使えば、長くずっと使えるんじゃない?
佐藤 塩噛みしにくいだとか、そういう部分はあると思うけど、安いリールでも数回使ったらしっかりオイルアップすれば、かなり長く使えるよ。それに汎用モデルも常に進化していて、数年前に最高レベルの機能だったものが継承されていたり、汎用モデルを買い換えたほうが結局はお得かなとオレは思うんだけれど。
オダ スピニングリールの場合はじゃあ、糸さえきちんと巻ければ問題ないんだ?
佐藤 よっぽどのことがない限りはまったく問題ないと思うなあ。
――スピニングリール以外はどうですか?
佐藤 両軸リールなんかはスピニングリールよりもずっと性能が求められると思う。
オダ 両軸リールはバックラッシュが激しいもんね。
佐藤 村田基さんが言っていたんだけど、スピニングリールってのは竿でポンピングして魚を寄せてきて、余った糸を巻き取る性質のもの。ベイトリールのほうは基本的にはウインチだから、魚が掛かったら竿は立てっぱなしにしてハンドルをゴリゴリ巻くと。
――はぁ~、などほど~。だからスピニングタックルの場合は竿こそが重要だから、リールはある程度の性能があれば十分だと。
佐藤 そうそう、だから右利きの人がスピニングリールを左ハンドルにするのは余った糸を巻くだけだから左で十分だと。でもベイトリールの場合はウインチにように問答無用に巻かなきゃなんないから、利き手で巻かなきゃダメだって言っていたな、村田さん。
オダ いや、そりゃ深いねえ~。村田基さんが言うと、さすがの説得力だ。
佐藤 これは余談なんだけれど、ずっと前にカゴ釣りメーカーのVIPプロジェクトの方々と竿を出したことがあって、魚が掛かった後にポンピングしてたら怒られたの。その使い方はダメです、竿は立てたままでリールを巻き続けてくださいって。今から思えば、そのことを言っていたんだね。
オダ スピニングで基本性能以外で重視している点ってある?
佐藤 う~ん、ないな。基本性能がしっかりしていればそれでOK。
オダ でも軽さとかは重要じゃない?
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佐藤 あ、それはね。
オダ メバリングとかさ、あれは1000番台の小さいリールに限るね。今まで2000番台でやっていたけれど、いまいちおもしろさがわからなかったけど、リールを小さくしたらずいぶんおもしろいなあと。
佐藤 あ、それはすごいよくわかるね。メバリングなんか、汎用リールだったら1000番台、もしくは専用が一番だよ。
オダ アタリの手元への伝わり方なんかがまったく違う。やっぱり重たいリールを使うほど手に力が入るから、アタリが取りにくくなる。
――50g程度の違いでそんなに差が出ますか?
オダ 出る出る、全然違うよ。竿とのバランスもだいぶ変わるし、かなり軽くなった気がした。
佐藤 そうそう、竿とのバランスって重要だよね。シーバスやショアジギングをやるのに1000番台は明らかにバランスが悪いし、4000番台になっちゃうとちょっと大きすぎるしね。そのことで言えばさ、2500番というリールのサイズは絶妙だね。素晴らしく使いやすい。
――ほお~、それはどんなサイズなんですか?
佐藤 リールは2000番クラスの大きさなんだけれど糸巻き量が絶妙で、PE1.0号が200m程度巻けるわけ。PE1.2や1.5なら150m程度巻けて、つまりシーバスやライトショアジギングに最適なのよ。3000番のリールだとちょっと糸巻き量が多すぎちゃって、基本堤防から使う人間には使いにくいんですよ。
――ショアジギングは3000番が定番ですよね。
佐藤 渚でやる人たちは飛ばすし、それに根に擦れてブレイクすることも多いから余裕のある糸巻き量にしているんだと思う。だけど堤防は角度があるから渚ほどはラインブレイクしないし、第一、そんなに飛ばさないしね。ましてやブリなんかは狙わないし。
オダ でも沼津や焼津なんかの浜からブリを狙っている人たちってすごいよねえ。ごついタックルで狙っていて、80gぐらいの重たいジグをとんでもない距離飛ばしていてさ。
佐藤 そういった人たちは3000番台以上を使っているんだろうね。
オダ そういった人たちは汎用リールを使っていないのかな?
佐藤 いや、ガンガン使っているでしょう。PEラインに金が掛かって仕方ないはずだから、5万も6万もするリールはさすがに使えないんじゃないかなあ。基本は1万5,000円から2万5,000円ぐらいものじゃない? 例えばダイワのソルティガなんて8万円以上するからね、さすがに手が出ないっしょ。
――でも安いものと高いものだとベアリングの数が決定的に違いますね。
オダ ああ、なるほどねえ。確かにオレもいいリールを持っているけど、やっぱり回転の質は全然違う。
佐藤 まあ、でもさ、スピニングリールに関しては、村田さんが言っていたとおり、竿でポンピングさせて余った糸を巻き取るという使い方だから、竿や糸ほど差を見つけることが難しいよ。ショアやボートからキャスティングで青物やGTなんかやる人たちは、ドラグの性能にはかなりこだわっているだろうから、スピニングリールといえどもより良いものを求めるかもしれないけれどね。
――では結論としてはどうなりますか?
オダ いい竿、いい糸、いいエサ、いいハリ、いいルアーに金をかけ、それでも余裕があるならいいスピニングリール?
佐藤 ですね。あくまでスピニングリールの場合ですけど。
――ベイトキャスティングや船の大型リールはお金をかけてくださいと。
佐藤 電動リールなんて高い安いで、きっと悲しくなるほど差があると思う。スピニングタックルは竿、ベイトタックルはリールにお金をかけるべし!

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