一緒に語ろう! ~あるテーマを語り尽くす座談会~

第41回 渋いぜ、アナゴ釣り ~狙って掛ける面白さ!~

  • 司会:友人・小野寺
  • 論客:佐藤 オキアミ、オダ マルソウダ
  • 収録:2015年9月某日 横浜市戸塚区・中華料理店「栄海」にて収録

釣ったマアナゴ

多くの釣り物のなかでもかなり渋い部類に入るアナゴ釣り。しかし、アナゴ釣りは独特の釣趣から根強い人気があり、特に東京湾の沖釣りでは、夏の夜釣りの風物詩として心待ちにしている釣り人も多い。
陸っぱり釣りでは冬が釣期となり、チョイ投げで手軽に釣ることができる。エサはアオイソメか魚の身エサでよく、完全な置き竿にするよりも少し誘いをかけてやるのが釣果アップの秘訣。狙って釣れる魚だけに、釣り物が減る冬場の貴重なターゲットなのだ。

――今回はですね、「渋いぜ、アナゴ釣り」というテーマで語ってもらいたいなと。
オダ いや、それは本当に渋いわ! アナゴ釣りって何か語ることがあるの? ましてや陸っぱりで。
――あれ、オダさん、まあまあの拒否反応で。
オダ いや、だって、アナゴなんて語るほどのものじゃなくないかな? それならクロダイとかシロギスとかさあ、ほかに釣りで語るべき釣り物があるじゃないの。
佐藤 いやいや、お待ちなさいってオダさんよお。オレはアナゴ釣り・・・・・・好きだぜ。
――溜めますねえ~。
佐藤 ならではの釣趣があるわけですよ。船は真夏の夜釣りで、陸っぱりは真冬の夜が釣り時ですわ。
オダ そういや、あんた、毎冬やってるねアナゴ釣り。クソ寒い中よくやるわと思っているよ。アナゴなんて狙うかね?
佐藤 いやいや、東京湾ならではの釣り物じゃないですか、アナゴ!
オダ アナゴ?
佐藤 アナゴ。
――ほら、たまにテレビで見るじゃないですか、巨大アナゴ、通称アナコンダ釣りって。
オダ あんなもん怖いもの見たさじゃないの? 釣ったところでどうすんのよ、あれ。だってさ、食べた芸能人が全然おいしくないって言ってたよ。
佐藤 いや、あれは確かに怖いもの見たさの釣りなんだけれど、アナゴってさ、実はすんげえ大きくなる種類がいるのって知ってた?
オダ クロアナゴは10kg超えるんでしょ?
佐藤 小さい小さい小さい、あんなもん。
オダ え? クロアナゴが小さい?
佐藤 小さい! ヨーロッパアナゴなんて5m60kgとかだから。日本のアナゴなんてスケールが小さい! これからはアナゴ釣りの本場はヨーロッパになりますよ。
オダ ええ、本当にそんなに大きくなるの?
佐藤 オダさんが持ち歩いている便利な箱で「イギリス アナゴ」で画像検索してみなさいよ。
オダ ええ、面倒くさいよお・・・・・・マジ、デカイね、これ。
――確かにこれは凄いですねえ、アナコンダなんてもんじゃないですよ。
佐藤 これこそ本当の怪魚でしょ。こんなもんただの化物でしょうよ。
オダ 確かにこれは凄いけれど、日本のアナゴについて語るんじゃないの?
――そうです。こんな怪魚どころかクロアナゴでもなく、釣りのターゲットとして人気のマアナゴについて語ってください。
佐藤 ええ? 夢があるじゃないイギリスに行って、クソの役にも立たない巨大アナゴを釣るって。
オダ 狂った日本人がイギリスに乗り込んできたって思われるだけだよ。
――で、そろそろ日本のマアナゴについてお願いしたいんですが。
佐藤 ああ、はいはい、そうでした、でも君がアナコンダって言ったんだから。そうだねえ・・・・・・アナゴって、けっこう狙って釣れるのよ。しかもさ、仕掛けに工夫を凝らすことでこれまたしっかり結果が出やすい。メジナとかシロギスほどじゃないけれど、けっこう釣り人の工夫に応えてくれる魚だと思うんだよね。
オダ へぇ~、例えばどんなことやってるの?
佐藤 経験上、仕掛けを底ベッタリに這わせてしまうと意外に釣れない。仕掛けにケミカルライトかフロートを付けて、底の少し上をフワフワと浮遊させるとかなり効果的。ただし、フロートをあまりたくさん付けてしまうと、それはそれで釣れない。
――船釣りでもしっかりと誘いを掛けるのが基本みたいですよ。
佐藤 達人クラスになると両手に竿を持って誘いを掛けたりするからね。
オダ そりゃ凄いねえ、船ならではというか。誘って掛けるってのは確かに釣趣があることはあるね。
佐藤 陸っぱりでもね、やっぱりただただ置き竿にしないで、数分に一回くらいのペースで竿を煽って誘いをかけるわけさ。そうすると、近くにアナゴがいればわりと素直に食い付いてくれる。
オダ 意外に考えてやってるんだね、チミ。でもアナゴって釣って楽しいかな? 引くかい、あの魚? アナコンダじゃなしに。
佐藤 いやいや、マアナゴだって大きいのはそれなりの手応えがあるよ。なんかねニョロッと感というか、グネグネ大暴れしているのが凄くわかる。最近はもう掛けた瞬間に「アナゴだ!」ってわかるようになった。
オダ へぇ~、やるじゃん。引きの質でわかるってけっこうやり込んでる感じなんだねえ。
――オダさんもやる気になりました?
オダ う~ん、でもさ、釣って楽しいとか、嬉しい魚ってやっぱり見た目にもいいというか、アナゴならカレイのほうがいいじゃない。
佐藤 イヤだってカレイは本気投げの分野じゃない。アナゴはチョイ投げですから、エギングロッドだとか、コンパクトロッドでも狙えるわけですよ。お気楽釣りなのに掛ける楽しさがあるターゲットってほかにいくつあるよ?
オダ ま、確かにさ、アナゴが2~3本狙って釣れるなら、なかなかいいよね。ポイントはどんなとこ?
佐藤 たぶん砂泥底だったらほぼすべてがポイント。だから東京湾なら、ほぼほぼどこででも釣れると思う。前には東伊豆の伊東港でも釣ったし、砂底でもけっこう釣れるんだと思うよ。だから大体どこででも釣れるんですよ、アナゴさんは。
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――そういえば前に夜釣りをやっていたら、漁師が目の前を穴子筒流していきましたよ。
オダ もっと奥で流しやがれって感じだね、そりゃ。
――ホントそうですよ。漁具に引っかかるのがイヤだから、泣く泣くポイント移動しましたけど。
佐藤 いや、でもね、それだけ手前で釣れるってことなんですよ。東京湾は生息数も多いしさ、だからやらなきゃ損なんだって。
オダ エサは何を使っている?
佐藤 オレはアオイソメ。あんまり長くする必要はないから、一本を半分にして、それを二本分房掛けにしている。
オダ 身エサじゃ釣れないんだっけ?
佐藤 いや、身エサでも釣れる、問題なく。オレはサバの身エサでも釣ったことあるし、サビハゼをハリに付けてぶっ込んでおいたらそれに掛かってきたこともあった。たぶんガルプのサンドワームとかでも釣れるんじゃない?
オダ じゃ、なんでアオイソメ?
佐藤 そりゃ、アナゴを狙っているけど、他にも釣れるでしょうよ。冬場に釣れる魚は大きいから、いろいろ狙いたくなるじゃん?
オダ でもそこは純粋にアナゴだけを狙ってほしいよなあ。絶賛していたんだからさあ。
佐藤 ちょっとオレのアナゴ愛、いきなりほころんじゃった? いや、とはいえさ、アナゴ狙いで根魚系も釣れるし、シロギスやマハゼも釣れるしね。やっぱりアナゴもいいけれど、オダさんの言うとおり、もっと魅力的な魚も釣れるんだし。
――なんか本音が出ちゃいましたね。
オダ がっかりだよなあ。アナゴは狙って釣れるから楽しいとかほざきやがって。
佐藤 いや、だって、アナゴ以外にも釣りたいでしょうが、いろいろ。アナゴもいいけれど、アイナメなんてもっといいじゃない? アナゴを狙って釣りつつ、ほかもタナボタ的に釣るんですよ、もちろん。それにここ数年、東京湾ではアナゴの湧きが良くて、11~12月ぐらいの序盤戦はかなり数釣りができるみたいよ。
オダ でもオレ聞いたことがあるよ、アナゴがたくさん釣れる年の東京湾は海底に・・・・・・って。
――どざえもんですか?
オダ そうそう。どざえもんっていうか、沈めんぞ、オラ!みたいな、本当にやっちゃった系だと。
佐藤 屍肉に群がるアナゴかなって?
オダ まあ、そんなわけないけれど、よく聞かない?
佐藤 聞く聞く、だけどそんなもん都市伝説だよ。だってさ、人の死体よりも、イルカやクジラなんかの死体のほうがよっぽど多いでしょ、海の中は。
――人はともかく、屍肉といえどもたくさんエサを食べていたほうがおいしいでしょうね。
佐藤 東京湾産のソゲアナゴは高級品だからね。ゆるい潮の流れで栄養豊富な海で育っているから、やわらかくて脂が乗っているわけですよ。
オダ 確かに食味の良さは誰もが認めるところだよね。それはオレも認める。アナゴ、大好きっす。
佐藤 イヤ、うまいよ、釣りアナゴ!
――わたしまだ食べたことがないんですよ。
オダ オレもない。
佐藤 しっかりと活き締めにするからまず臭くないし、基本的に東京湾の陸っぱりで釣れるのはソゲアナゴ程度のサイズだからいいのよ。白焼きなんてウナギにだって負けませんよ。あと、椀物なんて最高よ。
オダ 確かにそりゃ、いいねえ。でもさヌルが凄そうじゃない? あれはどうやって取るの?
佐藤 捌いたあとに皮目に熱湯を掛けるの、竹ざるにアナゴを並べてザーッと。そうするとヌルはタンパク質だから固まって白くなるから、それを取り除けば臭みは一切なくなる。
――でも天ぷら屋なんかは生のままやってますよね?
佐藤 あれはね、捌いた後に塩揉みするのよ、徹底的に。米をとぐみたいな感じで塩で揉み込んで水洗い。その後、包丁で残ったヌルをこそげて完成だったと記憶している。
――それでヌルは取れるんですか?
佐藤 オレも塩揉みだけでヌルを取ったことはないのよ。でも大体は取れるんでしょう、それで。でも熱湯かけたほどは完璧には取れないから、天ぷらの場合は揚げ時間を長くしてニオイを完全に飛ばしちゃっているんじゃない?
オダ ヌルはわかったけど、そもそも捌くのが難しくない? 目打ちにして固定しても、普通の包丁じゃあうまくいかないよね素人は。オキアミは何を使ってる?
佐藤 オレはね小出刃です。小出刃は刃が薄いうえに片刃だから非常に捌きやすい。
オダ オレ、小出刃持っていないからなあ。
佐藤 あのね、これは奥の手なんだけど、カッターナイフが最高に捌きやすいんだって。刃は薄くて切れ味鋭いし、アナゴの大きさに合わせて刃の長さを簡単に調節できるでしょ?
――カッターなら誰もが持っていますから、楽でいいですね。
佐藤 そうなんですよ、だってお客さんに出すわけじゃないから多少ヘタだってまったく問題ないじゃない? 頭と内臓を取って、ヌルさえ取っちゃえばおいしく食べられるんだから。ヒレはできれば取ったほうがいいけれど、ソゲ程度だったら硬くないし取らなくても問題無いですよ。それで狙って釣れるんだよ? 釣り物が少なくなる冬に狙うのに最高じゃないですか!
オダ なんかちょっと鼻に付く熱弁ぶりだね。まあ、でも、焼いアナゴを寄せ鍋に入れたら確かにおいしいだろうねえ。釣り物としては地味だけど、味の面を考えれば悪くないね。
佐藤 ようやくわかってくれたか、オダさん! 今年はアナゴ釣りを一緒にやろうよ!
オダ でもオレ、寒いの苦手だしなあ。冬に釣りをするなら、日中にメジナとか狙いたいかも。
――寒メジナっていうぐらいですからね、釣ってよし、食べてよしで最高です。
オダ 寒メジナの刺し身って泣けるほどおいしいよねえ。オレ、大好きなんだよ、メジナくん。
佐藤 ・・・・・・結局、オレの想いはいつもオダには届かないね。

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