一緒に語ろう! ~あるテーマを語り尽くす座談会~

第40回 釣具店オリジナル釣り具は是か? 非か? ~最近は高品質!~

  • 司会:友人・小野寺
  • 論客:佐藤 オキアミ、オダ マルソウダ
  • 収録:2015年8月某日 横浜市戸塚区・中華料理店「栄海」にて収録

タカミヤオリジナルのエギングロッド「EGING-GR」

釣り人の誰しもがお世話になる釣具店オリジナルの釣り具。竿やリールはもちろん、水汲みバケツやアイテムケースなどの便利アイテム、ルアーに餌木、そして地元の釣り場に則した仕掛けなど、釣具店オリジナルの釣り具は多数ある。そのどれもがレベルが高い・・・・・・わけではないけれど、価格が安いから利用されることが非常に多い。
最近は釣具のポイントのオリジナル釣り具など、釣り具メーカーにも負けない高品質な商品も多数出てきており、例えば竿などは同価格のメーカー品と比べて品質が高いうえに価格が安い、という商品も多数出てきている。釣具店オリジナル釣り具、あなどれん!

――いやいや、ずいぶん久しぶりの「一緒に語ろう!」です。
オダ 全然クラブ活動をやっていなかったからねえ。実に三ヶ月ぶりですよ、釣りをしたの。
――そういうことで一緒に語ろう!の収録が遅れていたので、今日のテーマは「釣具店オリジナル釣り具は是か? 非か?」です。
オダ おお、まさに、Maioka FC っぽいテーマだねえ。でも是か非かってことなら、結論は是、で終わっちゃうけど?
――いえいえ、それだけでは面白く無いので、いいところと悪いところも話していただければと思います。
佐藤 釣具店オリジナル釣り具といえばポイントと上州屋ですか?
オダ オレはメチャクチャ上州屋にお世話になったわ。というよりも、釣具店オリジナル釣り具と言われると真っ先に思い出すのはKEN craftなんですよ。
佐藤 出たね~、オレたちの大好き上州屋の現社長・鈴木健一氏がかつてプロデュースしていたルアーフィッシングブランドじゃないですか。
――ダハッ、丁寧な説明ありがとうございます。
オダ オレは伝説の釣り番組「千夜釣行」の大ファンだったから! 毎週月曜日の夜、欠かさず見ていたよ。
佐藤 オレも見てたわ~。当時はさ、バス釣りブームまっただ中で、山中湖かなんかでバスボート疾走させて、ベイトタックルがバスボートにたくさん積んであって、憧れたなあ。当時は淡水こそが釣りの最先端だと思っていたよ。
オダ オレなんて千夜釣行のCMに出てくるからKEN craftこそが世界最高の釣り具メーカーだと思っていたもん。それに上州屋のCMは松方弘樹が着流してチャンバラやっててよく覚えてる。だからいまだに松方先生のこと大好きだね。あの頃の上州屋は勢いがあったよ。
――確かに今とは比較にならないぐらい上州屋のチラシが新聞に入っていたと思います。
オダ そうなんだよねえ。チラシが入ると嬉々として上州屋に行ってたもん。
佐藤 オレ最近、千夜釣行を見たんだよ、ユーチューブで。
オダ どうだった?
佐藤 いや、それがさ、本当に面白いんだよ! 今テレビだとさ、釣り人が仕掛けを垂らしたらド~ンみたいな感じというか、番組の作りが賑やかなんだよね。でも千夜釣行って全体のトーンが静かで、魚が掛かった時の静から動へのつなぎ方がうまいと思った。
オダ ああ、確かに千夜釣行は静かだった。湖の自然の音がそのまま伝わってきて、バス釣りがすげえ高尚な釣りみたいな感じに思えてたもん。
佐藤 でもさ、釣りを指南してくれる演者が、え? 誰? みたいな人ばかりで、今から思うと少しウソくさいというか、これで番組作っちゃって大丈夫なのって気がしちゃう。
オダ アッハッハッ、そこはさ上州屋の人脈をフル活用していたんじゃない? でも確かにみんなが知っているような人じゃないと、説得力は薄いよね。
――あの、千夜釣行もいいんですが、釣具屋オリジナル釣り具のお話も。
佐藤 もうひとつだけ言わせて! それでさ、千夜釣行ではその釣り人が使っているタックルを紹介してくれるんだけれど、なんかあたかもKEN craftが上位モデルみたいな紹介をするんだよ。だから当時のオダみたいに、世界一だと思ってた人は意外に多いんじゃないのかな?
オダ ああ、なるほどねえ。でも確かに当時はダイワかシマノかKEN craftか、ぐらいに思ってた。
佐藤 ダッハッハッハッ! そう視聴者に思わせていたんだから、上州屋の戦略は素晴らしいよ。だからオレはまず、海釣りだったから上州屋でGETTを集めることから始めたもん、釣り具集めは。
オダ 水汲みバケツとか竿のソフトケースとかね。あとはアイテムボックスとか、何かと上州屋のGETTだったよ。
――使い心地はどうですか?
オダ いや、悪くなかったと記憶しているけど。でも今は使っていないなあGETT。
佐藤 最近は釣具のポイントのオリジナルはよく使っているよ。一番よく使うエギングロッドがタカミヤオリジナル(※釣具のポイント運営企業)だし、水汲みバケツもそうだなあ。あとはメタルジグがお気に入り。
オダ オレもポイントが多いなあ。あ、閉店セールでキャスティングのチョイ投げ仕掛けは大量購入したかな。
――あとはタックルベリーのオリジナルアイテムなんかもありますね。
オダ あ、オレ、熱海の釣具屋サンワのオリジナル遠投ウキを愛用している。熱海ウキっつうかなり細身のやつ。
佐藤 オレも違うバージョンだけどサンワのウキは持っているよ。そういう地方の釣具店オリジナルの釣り具や仕掛けなんかは無数にあるんじゃない?
――違うものですか?
佐藤 仕掛けなんて最高よ。そこの釣り場にアジャストしているわけだから、もっとも釣れる。もう何年も前の話だけれど、新潟の釣具店が依頼してメーカーに作ってもらった投げサビキ仕掛けで、ワカシなんかが面白いように釣れるって・・・・・・その時は釣れなかったんだけど。
オダ でもいいことばかりじゃないよ。オレは仕掛けじゃないけれど、タカミヤオリジナルの餌木「エギボンバー」で痛い目にあってる。何投かしただけで、餌木に貼ってある布地が剥がれてまったく使い物にならなかった。
佐藤 珍しいよねえ。タカミヤのメタルジグなんて非常に性能が高いのに、餌木がダメなんて。
オダ ぶつけたわけでもないし、ただ普通に使っていただけなんだけど。まあ、特別安い餌木だったから仕方がないけど。でもねえ、釣具店オリジナルはせめて安かろう悪かろうはなしにしてほしいよなあ。
――コンパクトロッドセットなどはどうですか? あれはオリジナル商品じゃないですかね?
佐藤 ポイントなんかはオリジナルじゃない?
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――性能はどうですか?
佐藤 もうさ、コンパクトロッドに性能は求めちゃダメ。あれは情緒みたいなもんだから。
オダ そうそう、ならではの味があるよね。硬くて重たいくせに弾性がないから竿のタメが効かなくて、ちょっと魚が大きいと簡単にのされちゃうみたいな。
佐藤 確かにコンパクトロッドは一定の評価はできるよね、性能はともかく。テトラの穴釣りとか、竿を痛めやすい釣りはコンパクトロッドを使うのはアリだよね。でもリールはねえ・・・・・・。味なんて感じられないほどに耐えられない。
――でも竿とリールだとよりどちらが重要ですか?
佐藤 いや、そう言われれば竿だよ断然。オレは竿はそこそこのクラスを使うようにしているけど、リールは定価は1万円以上だけれど実質7,000円ぐらいのモデルだもん。
――じゃあ、コンパクトロッドセットのリールでもそこそこやれるんじゃないですか?
佐藤 いやいや、そういう問題じゃない。初心者の方があれを使うからトラブルばかりで釣りが面白くなくなるんだよ。でもさ、釣り好きの友達のタックルを借りると初心者でも割りと楽しめるのは、タックルがそこそこだからだよ。コンパクトロッドセットのリールを使うぐらいなら、ノベ竿のほうがいいよ。
オダ でもさ、上州屋オリジナルのリョービのリールを持っているけど、あれは意外と使えるよ。そりゃ、すげえいいわけじゃないけれど、チョイ投げとか探り釣りをするぶんには十分だよ。同価格の二大メーカーのリールよりかは性能が高いと思う。
佐藤 そういえば最近、KEN craftのロッドやリール、ルアーも見ないよね? もうやめちゃったのかな?
――今は製造していないんじゃないですかねえ。KEN craftの製品はタックルベリーとかの中古釣具店や、たまに上州屋で在庫が放出されるぐらいでしょう。
オダ 前にすげえ微妙なKEN craftのメタルジグを上州屋川崎店で購入したよね。なんかいろいろと部品が欠けてあるやつだけど40円だったかな、確か。
佐藤 あったねえ、そんなの。上州屋にはもう一度頑張って欲しいんだよなあ。なんか最近はポイントやタックルベリーばかりが元気があって、上州屋はあんまりパッとしないんだよね。神田の新しい店に行ったんだけど、広くてキレイで素晴らしい品揃えではあったんだけど、いまいち覇気がないような気がして。
オダ オレも上州屋を応援したい気持ちはけっこうあって、小物なんかは少し高くても上州屋で買うようにしているんだよ。都心から店舗が消えたら困るからね。
佐藤 そうなんだよお、上州屋のさ、都心部を重視した店舗展開は素晴らしいんだよ。だからこそ、都心の店はもう少し小物と釣りエサを充実させて欲しいんだよねえ。特に釣りエサなんて大型チェーンとは思えない品揃えで、購入欲がいまいちわかないんだよ。
オダ オレもそれは常々思っている。資本力を活かしてエサを充実させてくれると超便利なんだよ。仕掛けはまあまあだけれど、ウキ釣りの小物とかルアーの種類とか、微妙に品揃えが悪い。デカイ神田店とかは申し分ないんだけれど、新橋店とか小店舗ほどルアーなんかを充実させてほしいよ。新橋店で竿なんて買わないでしょ?
――意外に酔ったサラリーマンが買っていくのかもしれませんよ?
オダ そう思うでしょ? それが割と営業時間が短いんだよ。仕事帰りに飯を食べて、立ち寄ろうと思ったら営業終了していて、これじゃあ都心のど真ん中に店を構える意味無いじゃんって!
――まあ、上州屋にも事情があるんでしょう。労働組合が強いとか・・・・・・。
オダ いや、でも、せめて夜の10時までは営業をしてほしいよ。一軒目で釣りの話題で盛り上がって、ちょっと行こうかってなるもん。そうなると夜の10時ぐらいまで営業してくれると非常にありがたいよ。微力ながらもオレも応援しているし、釣りファンはみんな上州屋チルドレンといってもいいんだから。
佐藤 上州屋チルドレン!? いやぁ~、いい言葉だなあ。
――今日は釣具店オリジナルの釣り具について語ってもらうはずだったんですが、結局、上州屋の話題になっちゃいましたね。
佐藤 いやいや、釣具店といえば上州屋だから! 「水は地球の命です」、釣り人全員が心に留めなければいけない歴史的格言ですよ!
オダ 相田みつをみたいに、上州屋社長の日めくりカレンダーって欲しくない? 意外に売れるかもしれないよ。
佐藤 「水は地球の命なんだなあ」みたいな感じ?
オダ そうそう! 絶対売れるよ。
佐藤 ・・・・・・オレらみたいな変態しか買わないんじゃない?
オダ えっ!? オレたちって変態なの?
――話題的に変態の会話ですよ。
佐藤 そろそろキミも自覚しなさい。

一緒に語ろう!

第43回 スピニングリールについて

第42回 エコギア パワーワームについて

第41回 渋いぜ、アナゴ釣り

第40回 釣具店オリジナル釣り具は是か? 非か?

第39回 やっぱり凄いよ松方弘樹!

第38回 お刺し身を語る

第37回 クロダイ・メジナ論争

第36回 真冬! 極寒釣り場の過ごし方

第35回 釣り人よ、包丁を握れ!

第34回 最人気釣魚・アジを語る!

第33回 気をつけよう!釣りでの危険な出来事

第32回 自作釣り具のすすめ

第31回 身近な海で釣れるマグロ、キハダについて

第30回 どうしてボウズになるのか?

第29回 日本の捕鯨について

第28回 釣った小魚の利用法

第27回 釣れるハリと釣れないハリについて

第26回 釣った魚の締め方と保存法について

第25回 『釣りロマンを求めて』について

第24回 シガテラ毒について

第23回 魚を掛けるために重要なこと

第22回 東京湾産の魚介類は安全か?

第21回 釣り禁止場所に入る釣り人について

第20回 地磯釣行について

第19回 回遊魚釣りの楽しみ方について

第18回 どうしちゃったのさ牛丼チェーン

第17回 夏場の釣りについて

第16回 根魚は消えてしまったのか!?

第15回 釣りを再開するために

第14回 オキアミについて

第13回 ブラックバスについて

第12回 雨の日の釣りについて

第11回 電車釣行について

第10回 故・大塚貴汪氏について

第9回 PEラインについて

第8回 夜釣りについて

第7回 ウナギについて

第6回 アジ、サバ、イワシについて

第5回 東京湾について

第4回 初競りマグロについて

第3回 上州屋について

第2回 釣行後の食事について

第1回 好きすぎてサバ缶

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