舞岡フィッシングクラブ｜一緒に語ろう！｜第28回釣った小魚の利用法～大物釣りのエサに、食べてもおいしい！～

一緒に語ろう！～あるテーマを語り尽くす座談会～

第28回釣った小魚の利用法～大物釣りのエサに、食べてもおいしい！～

司会：友人・小野寺
論客：佐藤オキアミ、オダマルソウダ
収録：2014年4月某日神奈川県川崎市・川崎駅・天龍仲見世店にて収録

オオスジイシモチでブッコミ釣り

大物を狙って竿を出しても、滅多には掛かってくれないもの。いつも優しく釣り人のハリに掛かってくれるのは、岸壁際にたむろしている小魚たち。サビキを垂らせば、ネンブツダイやスズメダイなどがゾロリと掛かって、寂しい釣り人を慰めてくれるのだ。
しかし、そんな小魚たちを有効利用している人は案外少ない。かく言うわたしもその一人。せっかくハリに掛かってくれたにも関わらず、「チッ！」と舌打ち一発、エサトリ程度にしか思わず海へ返してしまう。
しかし、小魚は大物釣りのエサとなるうえ、何気に食べて美味な魚も多いのだ！雑魚と思わず、ぜひ有効利用しよう！

――今回は「釣った小魚の利用法」というテーマです。お二人も釣りをしていてよく小魚を釣るかと思いますが、今回はその利用法を語ってもらおうと思います。
佐藤	“語ってもらおうと思います”って言われても、オレら前回の釣りで小魚すら釣れなっかたの知らないの？
オダ	オキアミなんて、ネンブツダイを狙ったのに釣れなかったもんね？
佐藤	釣りサイトを運営するようになって1年とちょっと、さすがにネンブツダイを釣ることだけは自信があったんだけど、まさかその自信すら打ち砕かれることになるなんてね。
オダ	オキアミはさ、糸が絡んだりするとすぐにイライラして「フ◯◯ク！」って叫んでるし、本質的に釣りに向いていないんだよね。
佐藤	・・・・・・・・・・・・。
――釣りサイトの管理人の感情にグサリと突き刺す言葉を言い放ちますね。
オダ	いやいや本質的に向いていないってだけで、釣りへの情熱は人一倍あると思うし、釣り具の自作もできるしね。たださ、ネンブツダイすら釣れなかったってのはねえ～。
佐藤	・・・・・・言ってくれるね。
――まあまあ、それぐらいにして小魚の話をお願いします。そもそもなんで戸田港まで行ってネンブツダイを狙ったんですか？
佐藤	ああ、ネンブツダイってさ、アジほどじゃないんだろうけど、ぶっ込んでおいたりウキ仕掛けで流しておくと、結構な確率でなんかしらの魚が掛かってくるんだよね。春だしさ、型のいいアオリイカをネンブツダイの泳がせ釣りで狙おうと思ってたんだよね。
オダ	一年前に戸田港（西伊豆）で頭を噛じられてたもんね。
佐藤	結構多いよ。前にネンブツダイをぶっ込んでおいたら、キレイに頭だけ残って戻って来たり、両軸遠投カゴ釣りで掛かった魚の頭が噛じられていたりもするしね。仕掛けを回収してたらすげえ重いのに、急に軽くなったりしたら、大体アオリイカだね。
オダ	前に伊豆新聞で、ネンブツダイの泳がせ釣りでヒラスズキを釣ったって記事が出ていたな。ネンブツダイってさ、あれだけ数のいる魚だからいろいろな魚のエサとなっているんだよね。だからさ、けっして遊泳力があるわけではないし、すぐに弱るデメリットはあるけれど、もうさ、フィッシュイーターから見たら反射的に食い付いちゃうんじゃないのかな？
――オオカミにとっての子豚のような（笑）。
佐藤	なんかネンブツダイって、引っかかるような棘がないから、いかにも食べやすそうだよね。まるで他の魚に食べられるために生まれてきたみたいな。
オダ	後はカタクチイワシってやっぱりすごいよね。スズキやヒラメ、マゴチ、マダイなんかも釣れちゃうし、カサゴやメバルなんかも釣れるわけで。小魚をエサにするってことで言えば、カタクチイワシは最強だろうね。
佐藤	ああ、それなら釣りじゃないけどカツオの一本釣り漁なんて凄いよね～。カツオの群を発見すると船から水面に向かって放水してさ、カツオが「なんだ？なんだ？」って近づいてきたタイミングで、活カタクチイワシを撒いてね。狂乱状態のカツオを、スレバリのカブラでバッカンバッカン釣っちゃうんだから。
――小魚を大物釣り用のエサとして利用するのは大いにアリですよね。
佐藤	そう思うな。江戸前のマゴチ釣りなんてさ、船宿のある汽水域でハゼを釣ってから沖に出て、ハゼを活きエサにするんだから。面白いよね。
オダ	わざわざ活きエサを買ってこないで、釣り場で調達ってのがスマートでいいよね。
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――エサとしての利用以外に、お二人は小魚を食べたりします？
オダ	食べる魚と食べない魚があるかなあ。
佐藤	オレは大体なんでも、一度は食べるようにしているよ。とはいえネンブツダイはまだ食べていないけど。
オダ	あれ、そういえばこの前ネンブツダイを狙ったのって、アオリイカを釣る目的だけじゃなくて、食べようとも思ってたんでしょ？
佐藤	そうだよー、釣りサイトの運営者としてネンブツダイを食べたことないのは怠慢だと思って、増税前にわざわざフードプロセッサーを買って、さつま揚げにしようと思ってたんだから。
オダ	ダハハハ！ネンブツダイだけは釣る自信があったのにそれは残念だよね。
――ネンブツダイのほかに、食べた食べていないは棚に上げて、おいしいと評判の小魚ってどんなのがいます？
佐藤	オレはね、横浜の海でもよく釣れるヒイラギがおすすめかな。湘南でもよく釣れるね。まとまって釣れるときは持って帰りますよ。
オダ	ええ～、ヒイラギ？ヌルヌルが凄いし、どんなふうにして食べるの？
佐藤	唐揚げが簡単なうえにうまいと思うよ。小魚は基本的に唐揚げが一番だよ。それとヒイラギは小さいからおろすのが大変だけど、刺し身はべらぼうにうまいと聞いたことがある。
――オダさんはどんな小魚がおすすめですか？
オダ	・・・・・・。
佐藤	オダはね、食わず嫌いで外道でしかも小魚なんて食べないんだよ（笑）。
オダ	メゴチぐらいかなあ・・・・・・。
佐藤	こういう人間なんです。
――・・・・・・。ではヒイラギ以外にオススメは？
佐藤	オレはキュウセンやササノハベラだってうまいと思うし、ウミタナゴも好きだよ。あとはサッパもなかなかおいしかったなあ。食べたことない魚は、スズメダイやカゴカキダイはかなりうまいって聞くね。
オダ	へええ、スズメダイっておいしいんだ？知らなかったなあ。
佐藤	アブッテカモって知らない？スズメダイの干物なんだけど、脂が多くて相当おいしいらしいよ。
オダ	それはいいねえ。あ、干物で思い出したけどさ、本牧のメザシって面白いよねえ。
――ああ、釣ったそばからハンガーで刺していくっていう。
オダ	暑い時期はちょっと厳しいだろうけど、冬場にはいいよね～。なかなかおもしろいこと考えるよね。
佐藤	でも単純な疑問なんだけど、あれってさイワシの胃にコマセって残ってないの？
――・・・・・・。さあ、わたしも聞いたことあるだけでやったことないですからねえ。
オダ	それで思い出したけど、前にどっかで読んだ話なんだけどね、都心部の人間がさ、稚鮎を釣るってんで常磐地方の港でコマセを撒いてたら、地元師にめちゃくちゃどやされたって誰かが書いてたな。
佐藤	アッハッハッハッ、丸ごと食べられねえじゃねえかって！
オダ	なにやってくれんだって（笑）。ちょっとかわいそうだけど、ルールをちゃんと学習して行かないのはマナー違反だよね。
――じゃあ本牧もカラバリでやってるのかもしれませんね。
佐藤	でも周りでコマセを振りまくってるからなあ。案外、コマセももおいしいのかもね（笑）。機会があればオレもやってみるよ。釣りサイトの管理人としてね。