一緒に語ろう! ~あるテーマを語り尽くす座談会~

第12回 雨の日の釣りについて ~この日を逃すべからず~

  • 司会:友人・小野寺
  • 論客:佐藤 オキアミ、オダ マルソウダ
  • 収録:2013年4月某日 神奈川県横浜市・海鮮処寿し常 戸塚モディ店にて

雨の日のイメージ

雨が降るとつい釣りを中止にしてしまいがちだが、雨の日こそ魚が釣れると嬉々として釣り場に出向く釣り人も多い。
雨の影響で、魚から釣り人が見えなくなる、海中や水中の酸素濃度が上がる、夏の日の海は塩分濃度が適正となる、など様々な説が唱えられているが、これだという確証はない。 釣り人の経験則により、雨の日=魚が釣れる、という方程式が成り立っていると言えそうだ。
ひとつ確実に言えることは、雨により釣り場が空くため、より魚が釣りやすくなる、ということ。雨の日は狙い目なのだ。

――これから雨の日も多くなってきます。お二人は釣り予定日が雨だったらどうしますか?
オダ 基本は諦めるかなあ。一日中、雨に降られて竿を出すのはさすがにつらいのよ。
佐藤 コマセが雨でグチャグチャになるし、メガネに水滴が付いて前が見えなくなるし。レインウェアを着てもやっぱり濡れるし、中が蒸れて暑いし。いいことないよ。
――でも雨の日のほうが釣れるといいますよね?
佐藤 ああ、それはよく聞くね。雨で魚の警戒心が薄れるとか、海が荒れる前に魚がエサを荒食いするからとか言うけど、実際どうなの?
オダ いや、知りませんよ。オレはね、雨で海中の酸素含有量が増えるから魚の活性も上がるとか、夏は高くなった塩分濃度が雨で適正値になるから釣れるとかね、聞いたことがある。
佐藤 実際はどうなんだろうね? 実際のところは釣り人の経験則でしかないんじゃないの?
――確かに、雨の日のほうが魚の活性が高くなる科学的根拠を検索しても、なかなか出てきません。
佐藤 科学的根拠に乏しくても、多くの釣り人が雨のほうが釣れると断言しているんだから、ある一定の真理はあるかもしれないね。
オダ あなた前に、西伊豆の田子港で雨上がりに40cmオーバーのマダイを釣ったじゃないの。
佐藤 ああ、そうだったね。でも本命は釣れたけど、そのあと見事に魚が1尾も掛からなかった。だからオレは経験的に雨のほうが釣れるとは言い切れないなあ。
オダ ちなみにオレはその日は20cmにも満たないマルソウダ1尾だけだったからね。だからオレも雨の日のほうが釣れるとは断言できないけど、雨上がりはなんかワクワクしちゃうんだよね、一発がありそうで。
――では雨の日の釣りはおすすめできないですか?
オダ いやいや、オレらは基本的に陸っぱりのエサ釣りだけど、ルアーフィッシングや船の沖釣りだとまた違うんじゃないの?
佐藤 ああ、そうだね。このテーマで喋るって決まってたからさ、家で検索をしてみたんだけど、雨の日でも積極的に釣りに行くのはルアーマンが多いように感じたな。
オダ ルアー対象魚のスズキとか回遊魚なんかは雨になると活性が高まるのかもね。あとさ、ルアーは雨が降っても物理的に影響を受けにくいじゃない?
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――というと?
オダ 雨の日のなにがイヤかというと、雨でエサがふやけることなのさ。晴れや曇りの日とは、明らかにエサのコンディションが悪くなるよね。だからエサ釣りの場合、雨の日はあまり釣れないという考え方もできると思うよ。
佐藤 ああ、それは説得力があるね。魚の活性どうこうよりも、エサの品質の問題で雨の日は釣れないかあ。
――でもルアーは雨が降っていると飛距離が落ちるかと思います。
佐藤 飛距離は間違いなく落ちるよね。でもさ、投げ釣りもカゴ釣りもそうだけど、飛ばせば魚が食うとは限らないからね。あくまで飛距離を稼いだほうが有利というだけだからさ。
オダ それに雨によって魚の活性が本当に上がるのなら、エサを求めて陸近くに寄ってくるだろうしね。
佐藤 それと、雨もそうだけど雪の日はよく魚が釣れるって聞かない?
オダ オレはそれ初耳だわ。
――わたしは雪の日はブラックバスがよく釣れると聞いたことがあります。
佐藤 そうそう、オレもバスがよく釣れるって聞いたことがある。でも、雨の日ほどの評判は聞かないなあ。
――さすがに雪の日まで竿を出す人は少ないんでしょうね。
佐藤 それに低気圧の方が魚は浮きやすいっていうのも聞いたことがある。それは浮袋が気圧に影響を受けるからだとか、低気圧の荒れで魚のエサが舞い上がるからだとか、そんな理由があるからだって。
オダ あ、でも、それなら雨の日のほうが釣れるっていうのは根拠があるね。そうか、気圧ね、考えつかなかったよ。
佐藤 あのさ、ちょっとおもしろい話があって、コジレイこと児島玲子さんが、釣りの取材は海が大荒れの場合と雷以外は中止にならないから辛いっていうのよ。冷たい雨が降っていても釣りをしなきゃなんないんだって。それもさ、釣り番組の製作スタッフなんかは、経験上、雨ぐらいなら問題なく魚が釣れることを知っているから、冷たい雨ぐらいでスケジュールの変更なんてしてたまるかって思いなんだろうね(笑)。
――雨ぐらいなら問題なく釣れるから頑張れと(笑)。
オダ コジレイが雨でも竿を出しているんだから、雨でも魚は釣れるってことだね。
佐藤 大雨すぎて、海がゴミだらけなんてこともあるけれど、そうじゃなければ雨でも魚は釣れる。むしろ雨のほうが釣れるという釣り人も多い、ってのが結論じゃないですかね。
――お二人があーだこーだ言ってもしょうがないですが、コジレイさんのお言葉と聞くとさすがに説得力が違いますね。
佐藤 実績が伴っていないですからね、我々。

※ 雷雨時の釣りは危険です。雷鳴が聞こえたら直ちに竿をしまい、安全な場所に避難してください

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