一緒に語ろう! ~あるテーマを語り尽くす座談会~

第31回 身近な海で釣れるマグロ、キハダについて ~爆釣!相模湾~

  • 司会:友人・小野寺
  • 論客:佐藤 オキアミ、オダ マルソウダ
  • 収録:2014年8月某日 神奈川県横浜市・佐藤オキアミ宅にて収録

キハダの刺し身

近年、夏になると東京近郊の相模湾にはマグロの仲間であるキハダの大群が回遊し、相模湾にある港は釣り人でごった返す。回遊初期はルアー釣りに開放され、8月1日よりコマセ釣りが解禁となる。ルアー釣りは表層を狙うキャスティングゲームや、深場は村越正海プロが確立したエビングで狙ったりする。コマセ釣りも相模湾スタイルが確立され、高い確率で取り込めるようになってきている。
夏場のキハダはまさに旬であり、釣り味だけではなく食味も最高クラス。やわらかい身質で、旨味は非常に濃く脂も乗っている。

――今回のテーマは「身近な海で釣れるマグロ、キハダについて」です。8月1日に相模湾ではコマセを使った釣りが解禁となりました。
佐藤 身近といってもオレらには縁遠い存在ですがね。でも確かにここ数年、夏になると相模湾はキハダ一色って感じで賑わってますな。
オダ 去年の9月頃かな、明け方近くに茅ヶ崎港の前を通った時は凄かったねえ。釣り客の車がビッシリだった。
――キハダは、村越正海プロが確立したエビングといったルアー釣りでも楽しめますし、オキアミへの反応もいいという釣り人には嬉しい魚ですね。
オダ ルアーに反応が良くてオキアミも好物と言ったら、それってソウダガツオと一緒じゃない?
――ま、まあ、確かに食性は似ていますね(笑)。
佐藤 あ、でも、それはキハダ人気の本質かもしれないね。身近な海で肩肘張らずに大物釣りができるっていう。いくら身近で大物が釣れるといっても、あまり気難しい性格の魚だとここまでの人気は出ないでしょう。ソウダガツオに例えてしまうところが悲しくはあるけれど(笑)。
オダ ほっといてくれよ。でもさ、もともと相模湾ってこんなにもキハダがいたの?
――いや、村越プロのブログに書いてありましたが、キハダの大群が相模湾を回遊するようになったのはこの8年だそうです。
オダ へ~、村越さんがそういっているのなら確実だろうねえ。だってキハダってさ、関東よりも関西のイメージない?
――確かに、関西のほうが釣りやすい環境にあるんでしょうね。
佐藤 オレはキハダっていうと沖縄のイメージが強いんだよう。パヤオ釣りってやつ? キビナゴをハリに付けてさ、完全なフカセ釣りでリールから徐々に糸を出して潮に乗せてくの。それが一日に1~2本釣れるかどうかみたいなさ。でもいざ掛かるとデカイのよ、沖縄のキハダは。テレビで見かけるといつも羨ましいなあって思ってたよ。
オダ マグロを釣りたい人間はわざわざ沖縄に行っていたのが、相模湾でもキハダのいろんな釣りができるようになっちゃったんだから凄いね。ダイワなんて歓喜しているんじゃない?
佐藤 いやぁ~、ダイワだけじゃないでしょ。新しい飯のタネだもん。しかもルアーも竿もリールも新作を出せば絶対売れるだろうから、メーカーはどこも涙ものでしょう。だってさ、いくらシイラが楽しいといっても、せっかく船に乗って沖でルアー釣りをやるなら誰だってキハダを狙いたいですよ。
――それこそマグロのネームバリューですね(笑)。
佐藤 でもね、気になって釣り人のブログや船宿のサイトをいろいろチェックしてみたんだけどさ、キハダが回遊しているといってもそう簡単に釣れてはくれないみたいよ。
オダ そこはソウダガツオとは違いますな(笑)。
佐藤 マグロって高速で泳ぐじゃない? だから今船の下に居ても、仕掛けがタナに着く頃にはとっくに通り過ぎちゃっているんだって。
オダ コマセを撒いてもダメなの?
佐藤 いやいや、もちろん効果はあるけれど、ソウダガツオみたいに簡単には掛からないんだって。当たり前だけど。それに掛かってからが大変だそうで、ドラグ設定を間違えたりするとあちこちでオマツリが頻発しちゃうんだってさ。
オダ へぇ~、それなら素早くタナまで落とせるルアー釣りのほうがいいかもしれないね。
佐藤 だからさ、エビングなんかはキハダを釣るための釣法だから非常に理に適っているんだろうね。メタルジグを付けた天秤とワームの組み合わせってのは。
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――キハダをやるならルアーがいいですか?
佐藤 いや、そんなことわかんないよ。だってマグロ釣りなんてやったことないし、カツオすら釣ったことないもん。
オダ それどころかソウダガツオだってここ数年ほとんど釣っていないし。でもさ、やりたいでいったらオレはコマセ釣りだね。エサ釣りならさ、群が去ったとしてもじっくりと狙えるんだから。
佐藤 そうだよねえ、オレもコマセのほうがいいなあ。ルアーはハードワークでちょっときついし。ダイワのホームページでさ、北本茂照さんと田淵雅生さんの対談形式でキハダのコマセ釣りについて語っていて(進化し続ける、相模湾の“キハダ最前線”)、ここ数年でかなり釣り方が確立されてきているようだね。例えばさ、ヤリトリはキハダ以外にもサメとの闘いであるとか、興味深いよ。
オダ なにそれ? どういうこと?
佐藤 サメがね、水深30mぐらいのところで釣り人が掛けたキハダを待ち構えているんだって(笑)。だから竿をポンピングしちゃうとキハダが大きく動くから、サメへの強烈アピールになってかじられちゃうんだってさ。
オダ へぇ~、サメってそんなにずる賢いんだあ。ボクシングでさ、ファイター系の選手と試合する時、バッティング対策するってのに似てるね。
――ちょっと何を言っているのかわからないのですが・・・・・・。
オダ だからさ、パンチの心配だけをすればいいところを、本来は反則のバッティングも対策しないといけないという矛盾・・・・・・・。
佐藤 今ボクシングの話をして発展があるの?
オダ だって流してくれればいいのにしつこく聞くんだもの・・・・・・・。あ、ひとつ質問があるな。
――なんでしょう?
オダ どうして8年前から相模湾でキハダが釣れるようになった?
――つい先日ニュースで見た限りの話ですが、専門家が言うには海水温の上昇が理由じゃないかということでした。
佐藤 オレはイワシやサバなんかと同じで、数十年周期で増減を繰り返す自然現象じゃないかと睨んでいるんだけどね。なんの根拠もないけど。
――ああ、ありえるかもしれないですね。いくつかの魚は数十年や、長いと百年周期で増減を繰り返すらしいですからね。
佐藤 ま、なんにせよ近場の海で大物が釣りのターゲットになったんだから喜ばしいことでしょう。
オダ そのうちさ、烏帽子岩からメタルジグのロングキャストとかで釣れるようになってほしくない?
佐藤 それ夢あるなあ~。長崎の男女群島みたいじゃない。伝説の磯からキハダ30kgみたいなことが烏帽子岩でできたら凄すぎ。男女群島では陸っぱりからの釣り方も確立されているのかな?
――う~ん、どうでしょう??? 検索してみたらルアーマンを中心に磯からキハダを釣り上げている猛者が多いようですけど、確立とまでいっていいのかどうか。
佐藤 沖で掛けても釣るのが難しいんだから確立とまではいかないかもね。でもさ、磯で釣ったら沖で釣る何倍もの価値があるよね。
オダ 哲先生の磯からキハダは伝説だもんね。いまだにオレらその話で酒を呑むもの。ああ、酒で思い出したけど食味もいいんでしょ?
佐藤 夏のキハダはうまいですよ~。昨年何度か食べたんだけれど、ひとつはスーパーで買った千葉産だったかな。もうひとつは、ご近所さんから相模湾産の釣りキハダをいただいたもの。どっちも生だから香りがハッキリとしていてさ、色味はピンクで美しいのさ。それで旨味が濃いし、脂が乗っていてさあ。それで千葉産よりも、釣りキハダのほうが明らかにおいしかった。鮮度の差かもしれないけれど。
オダ いいなあ。寿司屋もさ、夏はキハダのいいのをメニューにしてほしいよね。
――釣って楽しく、食べておいしいんだから、今後はもっとキハダ釣りが流行るかもしれないですね。
オダ ま、個人的には釣りよりもどこでも生キハダが販売してくれることを望むよ。
佐藤 酒の肴はキハダの刺し身と釣り談義、いいですなあ~。旬を感じる。

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