一緒に語ろう! ~あるテーマを語り尽くす座談会~

第19回 回遊魚釣りの楽しみ方について ~引きはもちろんガッギュ~ン!~

  • 司会:友人・小野寺
  • 論客:佐藤 オキアミ、オダ マルソウダ
  • 収録:2013年7月某日 神奈川県横浜市戸塚区・安楽亭戸塚店にて

ゴマサバ

関東では、陸っぱりでの回遊魚の釣季は6~11月末頃までがほとんどで、ウキサビキ釣りやカゴ釣り、ルアー釣りなどで気軽に狙えるうえに、引きがとても強いターゲットとして人気を博している。
しかしお手軽に釣れるのはソウダガツオやサバがほとんどで、大物回遊魚は磯や沖堤などの一級ポイントからでないとなかなか顔を見ることはできない。そのうえ、一日竿を振り倒してもアタリすらないことも多々ある、実はレベルの高いターゲットなのだ。

――今回は回遊魚釣りの楽しみ方をテーマにしようかなと思います。
佐藤 いいねえ、回遊魚! オレは大好きだよ。
オダ オレなんて両軸遠投カゴ釣りをやっていて、あまりにソウダガツオばかり釣るもんだから“オダ マルソウダ”って名前を付けられたからね。
佐藤 だってさ南伊豆の板見港で、周りはシマアジだメジナだ、カワハギだって釣っているなか、ひとりソウダガツオを掛けていたからね。いまはソウダガツオじゃなくてシマアジを狙おうぜって言ってるのに、親の仇のようにソウダガツオを釣るんだもの。
オダ アッハッハッハッ! しょうがないじゃない、オレの意思ではもはやどうすることもできないよ。
佐藤 だからオダはさ、手のひらからソウダガツオ集魚剤みたいのが出ていて、それが原因じゃないかって(笑)。
――フェロモンの一種みたいな(笑)。みなさんは回遊魚の狙い方は両軸遠投カゴ釣りですか?
オダ 基本はそうだよね。両軸遠投カゴ釣りで、付けエサはオキアミで狙うことが多いです。南伊豆の板見港や東伊豆の稲取にある藤山の堤防なんかに行くときは、シーバスロッドとメタルジグを持っていきますね。
――板見港と藤山の堤防限定でメタルジグを持っていくんですか?
オダ うん。なぜかというとそのふたつの堤防はナブラがすぐ近くで立つことが多いんですよ。だからオレみたいにやる気のないなんちゃってルアーマンでも、メタルジグが届くの。
佐藤 板見港は特に凄いよねえ! 秋頃になると堤防すぐ近くでナブラがボッカンボッカン沸くように立つからね。そこにカゴを入れても見向きもされないもん。
――ちなみにオキアミさんは回遊魚の狙い方は両軸遠投カゴ釣りだけですか?
佐藤 オレも基本は両軸遠投カゴ釣りだけど、ジェット天秤ジェット天秤弓角弓角も持っていくよ。弓角弓角仕掛けなら両軸リールでもキャストできるからね。あとはソウダガツオが入れ食いのときは、スピニングリールタックルでウキサビキ釣りをするのも大好きだね。
オダ あなた、その釣り好きだよね。
佐藤 超おもしろいよ!  ロケットカゴを下カゴ仕様にしてさ、50mくらい遠投するのよ。ウキ下は1ヒロとって。でさ、仕掛けが絡まない程度の間隔で竿を煽り続けていると“ボッカン!”とウキが入るからね。大手メーカーの遠投用スピニングリールは両軸リールのABU 6500 CS RocketABU 6500 CS Rocketに比べてパワーがあるから、もう、ソウダガツオが掛かったらゴリ巻きよ。有無言わさず堤防まで寄せちゃうからね。
オダ 秋頃のソウダガツオの引きは強烈で、両軸リールタックルだと竿がのされることもあるからね。回遊魚だけを狙うなら、両軸リールタックルよりもパワー重視のスピニングリールタックルのほうが、確かに効率はいいよね。
――ウキサビキ釣りなら初心者や子供でも回遊魚釣りが楽しめますね。
佐藤 そうだね。磯竿3号以上を振れる体力があれば大丈夫だと思いますよ。夏を過ぎると堤防から30mぐらいのところまで回遊魚が寄ってくることも多いからね。
オダ あとはさ、オレはやらないけど、ルアーマンが磯からでかい回遊魚を釣っているのも夢があってかっこいいよね! 村越正海師匠の地獄の地磯みたいなところに行ってさ、メタルジグを100m以上フルキャストして、カンパチとかヒラマサとかワラサを釣ったりしてさ。
佐藤 あれは凄いよね! でもさ、デカイ回遊魚を地磯で釣ったらどうやって持って帰るのかな? 発泡クーラーにあんなデカイ魚は入らないでしょ?
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――さあ・・・・・・わたしも雑誌で見たことがあるだけですからね。ナイフでバラしているんでしょうかね。
オダ もしくはリリースしているのかな? それとも渡船で沖磯に渡っているのかな? どちらにしても、ヒラスズキやキジハタなんて高級魚を釣ってもリリースする人もいるからね。オレからしたら仏の境地に思えるね。
佐藤 オレたちだったら、そんな魚が釣れたら即効で締めちゃうよね(笑)。
オダ リリースするなんてハナから頭にないですから。ちょっと話は変わるけど、前にさ、高橋哲也先生が長崎の男女群島の磯でキハダマグロを、ムロアジの泳がせ釣りかなんかで釣ってたよね?
佐藤 あったあった! 確か30kg近い大物を釣り上げてたよね。竿が恐ろしいほど締め込まれていてさ、イシダイなんてもんじゃなかったよ。
オダ あれは回遊魚釣りの最高峰というか、高橋哲也っていう稀代の釣り人だからこそ釣れるんであって、サンデーアングラーが男女群島でキハダ狙いで竿を出して、仮に30kg級のキハダが掛かりでもしたらね・・・・・・。
――目も当てられませんね・・・・・・。
佐藤 ヘタしたら死んじゃうだろうね。
オダ 高橋哲也先生は磯で俊敏に動き回れる身体能力があるからできるんであってさ、一般人だったらキハダの引き+磯は無理だよね。悲惨な目に合うだけだよ。あの釣り、テレビで放映したのは正しかったのかな?
佐藤 まあ、こういう釣りもあるよって紹介しただけで、さすがにマネする人はほとんどいないんじゃない? プロ野球を見たからって、明日から自分も野球ができるようになるとは誰も思わんでしょ。
オダ ならいいけどね。磯からカンパチやヒラマサを釣るっていうのも、レベルは相当高いからね。地磯に入釣するのも、場所によっては命懸けなんだからさ。雑誌とかって割と簡単にそういうの掲載しちゃうから、危ないなって思うことがあってね。夢は凄いんだけどさ。
――ルアーフィッシング誌が取材場所を明かさないことが多いのは、そういう配慮もあってのことなのかもしれませんね。
オダ ああ、そうだね。読者としてはイライラしてたんだけど、事故を未然に防ぐっていう考えなら納得はできるかな。
佐藤 まあ、メディア批判はともかく、磯から10kgサイズの回遊魚を釣るなんて、男だったら挑戦してみたい釣りであることは確かだよね。
――釣り人だったら確実に憧れますよね。
オダ オレも10kgサイズのヒラマサを刺身にして、家族に腹いっぱい食わせてやりたいね。
佐藤 夏場は毎年、ソウダガツオを腹いっぱい食わせているじゃない?
オダ 「またソウダガツオ?」っていつも呆れられております。
――アッハッハッ、ソウダガツオは引きは申し分ないんですけどね、味がどうしても。
オダ 夏のソウダガツオをおいしく食べる方法を確立できたら、ブログで紹介いたします。

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