一緒に語ろう! ~あるテーマを語り尽くす座談会~

第33回 気をつけよう!釣りでの危険な出来事

  • 司会:友人・小野寺
  • 論客:佐藤 オキアミ、オダ マルソウダ
  • 収録:2014年9月某日 神奈川県川崎駅・安安にて収録

ヌカカに刺された痕

自然を相手にする釣りは実は危険がいっぱい。海の波や川の流れが危険なのは言うに及ばないが、磯にはヌカカという小さな蚊の仲間が棲息し、画像のように複数箇所刺されると全身痛と発熱でインフルエンザに似た症状に苦しむこともある。また、釣り場によってはブユも多く、強烈な痒みに加えて発熱したりもする。波や流れ同様に、虫刺されにも十分注意する必要があるのだ。
さらには堤防釣りなどはよりにもよってハオコゼやゴンズイ、アイゴといった刺毒魚もよく釣れる。代表的な刺毒魚を知らない人はすくないと思うが、心ない釣り人は釣れると堤防に放置し、気付かずに踏んでいしまう事故も発生している。

――最近は東京都内でデング熱騒ぎが起こっていますね。
佐藤 ああ、代々木公園内に生息しているヒトスジシマカでしょ?
オダ あれ、二次感染らしいじゃない。
――そうみたいですね。熱帯地方でデング熱に感染した人を刺した蚊がウイルスを取り込んでまた次の人へと。
佐藤 それにしては続出しているのは謎だけど・・・・・・。感染しちゃった人は熱が40℃くらい出るそうだよ、かわいそうだね。
――そこでですね、今年はお二人もデング熱ではないけれども同じような体験をされたわけじゃないですか。今回のテーマは「気をつけよう!釣りでの危険な出来事」というテーマで語ってもらいたいなと。
オダ 久しぶりにいいテーマじゃないの。つまりは我々の失敗談を語ればいいってこと?
――つまりはそういうことです。失敗談はいっぱいあるかと思いますが、まずはお二人はヌカカに刺されて発熱した話からお願いします。
オダ 聞いてくれるかい? 南伊豆の板見港で釣りをしてさ、あそこの港、ヌカカが異常に多いのよ。それで、虫除けスプレーをしていたにも関わらず、首に腕に足にと、露出しているところのほとんどを喰われたの。
佐藤 あれ、刺されても不思議に痒くないんだよね。
オダ そうそう、痕になるだけで痒くならないんですよ。でもさあ、オレは三日後の昼過ぎに突如として激しい頭痛に襲われて。
佐藤 あたしゃ、翌々日の夜から全身痛と激しい頭痛でインフルエンザにかかったような症状だった。
――蚊に刺されただけでそんなになったんですか?
佐藤 それは自分でも信じられなくてさ、後でオダに話をしたらオダもそうだったって知って。原因はヌカカしか考えられないんだよ。
オダ オレの場合、ひどい頭痛は1日だけだったけど、一週間ぐらい軽い頭痛が続いて、しかも一ヶ月くらい体調が悪かった。マジで命の危険を感じた。
佐藤 その後精密検査を受けにいってたもんね(笑)。
オダ いやいや、それぐらいマジでやばかったんだって。ヌカカだけじゃないと思うけど、いろんなことが重なってそのひと月は人生のなかで最も体調が悪くてさ。
佐藤 いや、オレはその体調不良は100%ヌカカが原因だと思うよ。だってお前、足首だけで30~40箇所は刺されてたでしょ? オレなんて全身を10箇所ぐらい刺されただけでインフルエンザ級だったからね。オレのほうがアレルギーが強くて、瞬間的な症状が強かったけど、お前の体に入った毒は相当な量でしょ。
オダ そうかも・・・・・・。とにかくさ、暑い時期に釣りに行くなら虫除けスプレーはマストで持っていかないとダメだね。ヌカカにやられると命を危険を感じることになるよ。
――成分の濃い医薬品を買ってましたもんね(笑)。
オダ 反省の意味を込めてね。もう絶対に刺されないぞってことで、薬局で買える最強の虫除けスプレーを購入しました。それにオレは蚊もさることながら蜂がイヤだから濃い虫除けスプレーをと。
佐藤 三十超えたオヤジがさ、蜂が来ただけで「うわーっ!」とか声上げて逃げてんだもん。実に情けないよねえ。
オダ だってお前、蜂に刺されたらヌカカどころじゃないんだよ!?
佐藤 蜂はこちらから危害を加えなければ刺しませんよ。放っておけばいいんだよ。
――オダさんは蜂に刺されたことあるんですか?
オダ いや、無いんだけどさ・・・・・・。
佐藤 じゃあなんであんなに怖がるわけ? 意味わからん・・・・・・まあ、蜂はともかく、前にメバルに刺されてヒドイ目にあったこともあるよね(笑)。
オダ ああ、あったわ~。あれはまだMaioka FC の発足前だったよね? オレが釣りを再開したばかりの頃だったかな。
佐藤 だいぶ前に、横浜金沢区の鳥浜で釣りした時だったね。
――なんだってメバルに刺されたんですか?
オダ あれなんでだっけ?
佐藤 締めようとしてバケツから出そうとしてじゃなかった?
オダ ああ、そうだそうだ。メバルに毒があるなんて知らなかったからむんずと捕まえようとしたら、背ビレで指をグサッと。
佐藤 のたうち回るほど痛かったんでしょ?
オダ やばかった。ペンチで指を潰されているような、すげえ痛みだった。
――魚の毒は温めるといいんですよね?
佐藤 そうそう、刺毒魚の毒はタンパク質だから、50℃近い熱いお湯で患部を温めると痛みがやわらぐみたい。そうだよね?
オダ うん、自販機で熱いお茶を買って指をつけたらだいぶよくなった。オキアミが知っていたからよかったけど、知らなかったらずっとペンチ潰し状態だったよ。
佐藤 釣りをするならどんな魚に毒があるのか知っといたほうがいいよね。それと刺されたら熱い湯に患部をつけるっていう対処法を知っておくといいと思う。
――刺毒魚はハオコゼ、ゴンズイ、アイゴが御三家的存在ですし、あとはアカエイなどのエイの仲間が有名です。
佐藤 フサカサゴ科の魚は強弱はあってもすべからく毒を持っているみたいよ。だから背ビレには絶対触れないことだね。それにウミケムシかな、注意する生き物は。あいつ、投げ釣りでよく掛かってきてムカつくんだよ。
釣り具がお買い得で、5,000円以上の購入で送料無料だから利用しやすい!
国内最大級の品揃え、釣り具を買うなら【アウトドア&スポーツ ナチュラム】
――刺毒魚以外に、気をつけたほうがいいことありますか?
佐藤 オレさ、テトラが危険だと思うよ。幾度と無く滑って海に落ちているし、一度、滑って落ちて手を付いたせいで脱臼したもん。テトラをなめてビーサンで乗っかったら、見事に滑った。ビーサンのふんばりの効かなさは尋常じゃない。
オダ ビーサンって、それはテトラ釣りを愚弄しているよね。テトラは魚がよく釣れるからいいんだけどねえ、スパイクシューズを履いていないとどこまででも滑っていくよ。あ、最近、東伊豆の北川港のテトラで死亡事故が起こったらしいしね。
佐藤 テトラは磯以上に危険がいっぱいだよ。けっこう各地で痛ましい事故が起こっているみたいだね。テトラの材質は滑りやすいし、最初から傾いているからね。あと九死に一生を得たけれど、オダが周りを見ずにキャストしたせいで、オレの竿とリールをすっ飛ばしたことも危険だったなあ。
オダ その節は本当に申し訳ありません。
佐藤 粗忽者は何もオダだけじゃないからねえ。ルアーが頭に刺さったなんて事故はいくらでもあるわけで。周りにルアーマンやチョイ投げをやっている人を見たら、その人たち以上に自分が注意しないといけないね。
オダ 最近は“投げます”と周りに宣言してからキャストするようになりました。
――堤防釣りよりも磯釣りのほうが危険がいっぱいですよね。
佐藤 オレはあまり磯釣りをしないけれど、知り合いとかからいっぱい聞いたよ。笑ったのは、地磯で山歩きしてたらイノシシに遭遇して向かってきたんだって。とっさに木に登って逃げたけど、間一髪だったそうだよ。
オダ 伊豆半島でしょ? あそこ夜に車で走っているといろんな動物が出てくるもんね。山登りをしてたら、イノシシぐらい出てきても不思議じゃないよね。
佐藤 それにこれは危険ってわけじゃないんだけれど、メバリングをしようと夜にゴロタ場を歩いていたら滑ってこけてタングステンシンカーをばら撒いちゃったって(笑)。500円玉を海に撒いたようなもんだよ。ケースはしっかり閉めないといけないって猛省したって話してた。
オダ ダッハッハッハッ、それはおもしろいよねえ。タングステンシンカーはひとつ数百円したりするからすげえ痛い出費。
――滑落なんていうのも普通にありますかね?
オダ 西伊豆なんて頭おかしい地磯いっぱいあるよね。松崎の黒崎とか田子の陸オチョウとか、単なる崖をへつって行くっていうじゃん。写真を見たけど、本当に単なる崖なんだよ。
佐藤 オレ、5年くらい前、まさに田子の陸オチョウに友人と行ってさ、友人が手にした岩の出っ張りがボコッと取れちゃって、そのままズルズルと5mくらいズリ落ちていったもん。止まったからよかったけど、あれ、死んでいてもおかしくなかった。
オダ ベテラン地磯師は安全な場所がわかるというけどねえ。真鶴の番場浦ぐらいお手軽地磯じゃないと、危なくてなかなか行く気になれませんよ。外房とかもお手軽地磯が多い場所だよね。
佐藤 ところでさ、台風で海が荒れているのに釣りに行く人っているじゃない? あれってなんで?
――さあ、いいサラシが出ているんじゃないですか?
佐藤 なんか毎年台風に飲まれた釣り人が出るでしょ? 自業自得としか言えないよね、申し訳ないけど。
オダ あと、雷が鳴り響いているのに釣りを続ける奴ね。あれなんで?
――さあ、いいサラシが出ているんじゃないですか?
オダ 雷とサラシって関係あるの? まあ、雷に関しても自業自得だよね。
佐藤 あとさ、徹夜で眠いのになんで我慢して帰りの運転を頑張って事故を起こすの?
――さあ、夢の中でいいサラシが出ていたんじゃないですか?
佐藤 はっはっはっ、釣りは危険でいっぱいだね。いくら身近なレジャーと行っても釣りは自然が相手だから、油断大敵ってことだよね。それとさ、釣りはできるだけ二人以上で行ったほうがいいと思う。オレもオダと行くようになって、おかげで危険な目にも遭ったけれど、基本的には助かることだらけだよ。二人でいれば、仮に危険な目にあっても助けてもらえたりするから。
オダ そもそもMaioka FC ってそういう目的で作ったわけだからね。互助会みたいなもんだ。
佐藤 だからオレがもし海に落ちたらクーラーボックス投げてね♪
オダ もちろんだよ♪ オレが落ちた時もよろしくね!
佐藤 もちろんさ♪
――気持ちが悪いので終わります。

一緒に語ろう!

第43回 スピニングリールについて

第42回 エコギア パワーワームについて

第41回 渋いぜ、アナゴ釣り

第40回 釣具店オリジナル釣り具は是か? 非か?

第39回 やっぱり凄いよ松方弘樹!

第38回 お刺し身を語る

第37回 クロダイ・メジナ論争

第36回 真冬! 極寒釣り場の過ごし方

第35回 釣り人よ、包丁を握れ!

第34回 最人気釣魚・アジを語る!

第33回 気をつけよう!釣りでの危険な出来事

第32回 自作釣り具のすすめ

第31回 身近な海で釣れるマグロ、キハダについて

第30回 どうしてボウズになるのか?

第29回 日本の捕鯨について

第28回 釣った小魚の利用法

第27回 釣れるハリと釣れないハリについて

第26回 釣った魚の締め方と保存法について

第25回 『釣りロマンを求めて』について

第24回 シガテラ毒について

第23回 魚を掛けるために重要なこと

第22回 東京湾産の魚介類は安全か?

第21回 釣り禁止場所に入る釣り人について

第20回 地磯釣行について

第19回 回遊魚釣りの楽しみ方について

第18回 どうしちゃったのさ牛丼チェーン

第17回 夏場の釣りについて

第16回 根魚は消えてしまったのか!?

第15回 釣りを再開するために

第14回 オキアミについて

第13回 ブラックバスについて

第12回 雨の日の釣りについて

第11回 電車釣行について

第10回 故・大塚貴汪氏について

第9回 PEラインについて

第8回 夜釣りについて

第7回 ウナギについて

第6回 アジ、サバ、イワシについて

第5回 東京湾について

第4回 初競りマグロについて

第3回 上州屋について

第2回 釣行後の食事について

第1回 好きすぎてサバ缶

ラシックス