釣りとはまったく関係ないけど、管理人が選ぶ伝説の名勝負

第15戦 みどりのマキバオー 第12巻
ライバル対決完結。世代最強が日本で一番、最後のG1・有馬記念

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みどりのマキバオー第12巻

漫画家・つの丸先生の代表作で、第42回(平成8年度)小学館漫画賞児童部門受賞作品。 桜花賞馬ミドリコの仔として産声を上げたマキバオー(うんこたれ蔵)の成り上がりストーリーがテーマとなっている。 マキバオーは当初、そのロバのような犬のような容姿のため馬主からはまったく期待を持たれなかったが、才能は同世代馬の中でもトップクラスであり、 ライバル馬のカスケード、アマゴワクチン、サトミアマゾン、アンカルジア、ニトロニクス、ベアナックルなどと死闘を繰り広げ、成長していく。 特に世代最強馬であるカスケードとのレースはまさに名勝負といえる内容であり、カスケードはマキバオーにとって常に高い壁としてそびえ立つ。 果たしてマキバオーはカスケードを越えられるのか!?

1R カスケード、凱旋門賞で敗北。ニトロニクス、ジャパンカップ制覇

マキバオーとアマゴワクチンが菊花賞で激闘を繰り広げていた同じ頃、カスケードは海を渡り、世界最高峰のレースであるフランス・凱旋門賞に出走していた。凱旋門賞にはカスケード以外にも各国の最強馬が集結しており、イギリスからはダービーを制し、事実上世界最強馬との呼び声も高いエルサレム。昨年のイギリスダービー馬である古馬のギグスも出走。開催国フランスからは同国フランスダービーを勝ったカントナ。カントナは、カスケードと同じく世界の十傑に選ばれた名馬だ。

いよいよ凱旋門賞のスタート。各国から最強馬が集結しているだけに実力は伯仲。スタート直後からバラけることなく、集団を保ったままレースが推移する。いよいよロンシャンの長い直線。まず飛び出したのは大本命のエルサレム。しかし、カスケードもすぐにエルサレムに並ぶ。一瞬のキレだけでは勝負できない直線の長さだが、カスケードはエルサレムを一気に抜き去りにかかる・・・・・・も、失速。ゴール直前で他馬にも次々と抜かれ、結局、凱旋門賞は大敗で終わった。

カスケードの敗戦を見たマキバオーの調教師・飯富昌虎は、カスケードは有馬記念に出走できるのか懐疑的な目を向ける。

「どうもわしの目にゃ、あの馬はかなり疲れがたまっている様に見えるんだが・・・。凱旋門賞でのあの失速・・・本来のカスケードの力からすると考えられん。カスケードの力はもうピークを過ぎた・・・わしにはそういう風にも見えるレースだったんだよ」

と、鋭い考察を述べる。果たしてカスケードは飯富の言う通り終わってしまったのか・・・・・・?

時は流れ、凱旋門賞でエルサレムと連対に入った、フランスダービー馬のカントナが、ニトロニクスが出走するジャパンカップに参戦。カスケードやマキバオー、アマゴワクチン、トゥーカッターなど、有力馬が出走を回避したため、必然的にニトロニクスが日本の大将としてカントナを迎え撃つ格好だ。果たして結果は、見事、ニトロニクスが首差で勝利。ニトロニクスもまた、G1馬の称号を手に入れたのだった。

2R モンゴルからツァビデルを招聘し、有馬へ向けて最終特訓!

有馬記念は、今まで同世代とだけ戦ってきたマキバオーにとって、歴戦の古馬たちと走る初めての機会。調教師の飯富昌虎は、一生懸命に走るだけのマキバオーの戦い方では場数を踏んだ古馬には通用しないと判断し、マスタングスペシャルのきっかけを作ってくれたモンゴルの天馬・ツァビデルを北海道の鵡川に招聘。有馬に向けて、ツァビデルに最後の調教を付けてもらうことになった。

ツァビデルとの特訓は非常にシンプルで、森を全速力で走るだけ。しかし、シンプルだから簡単というわけではなく、ランダムに生える木々の間を全速力で走り抜けるのは至難の業であり、木にぶつからず森を抜けるには、先の先を予想しながら走らなければならない判断能力が要求される。当初は、木に何度もぶつかり、生傷の絶えなかったマキバオーであるが、次第に先の先が読めるようになり、木と木の間を走り抜けられるようになっていった。

マキバオーはツァビデルとの特訓によって、馬込みにおける駆け引きの重要性を大いに学び、有馬記念に向けて大きな収穫を得た。また、ツァビデルからは流れに逆らわず、流れに乗って勝負をしたほうがよいとアドバイスをもらう。マキバオーも準備万端、整った。

3R 有馬記念開幕! パドックで4歳馬vs古馬、試合前からヒートアップ

その年に活躍した馬たちが集うオールスター戦、競馬の祭典・有馬記念の開幕だ。この年は4歳馬が特に話題となった一年であり、必然的に4歳馬vs古馬の構造となる。

有馬記念、パドック。4歳馬と古馬が、試合前からヒートアップだ。特に熱くなったのは4歳馬のニトロニクス。最強古馬との呼び声も高いトゥーカッターに逃げ勝ったことのあるペインキラーと、一触即発にやり合ってしまう。揉め事の苦手なマキバオーは止めることもできずアタフタするだけ。落ち着きのあるアマゴワクチンは、呆れ顔で遠巻きに見守り我関せず。この調子で、レースで引っかかる馬が出なければいいのだが。

パドックが終わると騎乗合図が掛かる。その時、山本菅助は、カスケードの騎手・服部政人が馬主の本多から「有終の美を飾ろうだとか・・・・・・余計な事は考えなくていい」と声を掛けられているのを耳にする。予想外の言葉を聞いてしまった菅助は、服部が引退するのか!?と困惑する。この言葉が意味することとは・・・・・・? 競馬場には突然、雪が降り始める。

各馬本馬場入場、返し馬へと向かう。マキバオーとカスケード、アマゴワクチンの3頭は最後の決着をつけようと誓い合うも、勘の鋭い菅助は、さっきの言葉はカスケードがこの有馬記念を最後に引退することを意味していたのだと確信する。そして格調高いファンファーレが鳴り響く。各馬ゲートイン、いよいよ有馬記念のスタートだ。

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4R 帝王・カスケードに異常発生。マキバオー動揺、ポジションを下げる

先頭を走るは逃げ馬のペインキラー。続けてニトロニクス、ドラゴ、ビッグモスキート。そのやや後ろにアマゴワクチン、アンカルジアで、マキバオーとトゥーカッターは中団やや後ろ、末脚が持ち味のカスケードはさらにその後ろ。各馬それぞれが得意なポジションを取る。

古馬のトゥーカッターが早速仕掛ける。カスケードばかり気にする菅助を見て、他馬を使って進路を塞ぎに掛かる。が、菅助よりもマキバオーがいち早く察知し、難なくトゥーカッターの仕掛けを回避する。ツァビデルとの特訓が早速役に立った。

特に動きのないまま1,000mを通過。タイムは1分01秒3と決して早くはない。どの馬もけん制し合い仕掛けられないなか、なんと真っ先に動いたのは帝王・カスケードだ。するとマキバオーをはじめ、アマゴワクチン、ニトロニクス、アンカルジアの4歳馬全頭が一斉に上がり始める。1,500m通過、タイムは1分33秒! 古馬たちは、カスケードが作った超ハイペースに呆れ顔で下げていくが、たった一頭、4歳馬たちについていく馬が。そう、このレースの大本命馬・トゥーカッターだ。第3コーナーに入ったところで、アマゴワクチン、ニトロニクス、カスケード、マキバオー、トゥーカッターの5頭に完全に絞られた。

が、ここで、この超ハイペースを作った張本人であるカスケードが、突然、失速。アクシデントの発生か? いや、カスケードはマリー病という奇病に侵されていたのだった。マリー病は歩行のふらつきや平衡障害が特徴であり、、競走馬としては再起不能と医師から診断を受けていたのだった。普通なら、一刻も早く競走馬を引退しなければ命に関わる重病であるのだが、

「ピーターII・・・そして馬ではないがチュウ兵衛・・・オレはあいつらから血より熱いものを受け継いでいるんだ・・・命懸けのな。オレはそれをこれからの競走馬に伝えなきゃならねえんだよ・・・。血だけじゃねえんだ!!! オレ達ターフで命を懸けている者にしかわからねえものがあるんだよ!!!!」

との熱い想いから、カスケードはマリー病発症後も凱旋門賞、そして有馬記念の出走を志願。馬主の本多は、カスケードの気持ちを尊重し、調教なしのぶっつけ本番で有馬記念を最後のレースとすることを許可したのだった。

しかし、マキバオーは、カスケードの気持ちを汲み取ることができず、レース中、涙ながらにカスケードにレースをやめるよう説得を始めてしまう。カスケードから「オレはきさまをかいかぶっていたようだ・・・きさまは最低の競走馬だ・・・」と罵られてもまだ、動揺を抑えることができず、どんどん下げてしまう。一方、カスケードは、病をおしてラストスパート、最後の末脚を披露する。

5R 菅助に闘将・チュウ兵衛が憑依。マキバオーの根性にムチを!

カスケードの異常を目にしたマキバオーは、動揺を抑えることができずズルズルと後退。ついには第2集団にまで追いつかれ、優しい牝馬のアンカルジアが発破をかけてくれたものの、もはやレースどころではなく、泣いて後退するよりなかった。

当然、菅助も発破をかけ続けていたが、目に余るマキバオーの態度に、ついに切れたか。今は亡き闘将・チュウ兵衛の一番弟子である山本菅助に、チュウ兵衛の魂が乗り移る。

「・・・たれ蔵・・・カスケードの言ってた通り、お前は最低だ。カスケードが何でそんな体をおしてこのレースに出て来たと思ってんだ・・・何でそんな体で海外へ行ったと思ってんだ・・・カスケードは僕らに道を残してくれたんだぞ。これから先の希望を見せてくれたんだ・・・。日本の競走馬が世界でも通用するってな・・・。それを“夢”で終わらせちゃだめなんだよ。誰かが継がなくちゃだめなんだよ!
(中略)たれ蔵!!! お前が受けとらなくちゃいけねえんだよ!! お前がそのバトンを受けない限りあいつは走り続けなきゃならないんだ。受けとってやれ、決着をつけてやれ!! 安心して引退させてやれ!!
これ以上あいつの顔を苦痛でゆがめさせるな!!! お前はあいつに唯一引き分けた馬なんだ!! ケリをつけるのはお前の役目だ!! 行けーーーーーーっ!!! たれ蔵!!!」

菅助の魂のムチがマキバオーの根性をしばき倒し、ついにスイッチが入った。一度は脱落したと思われたマキバオーが、驚異の瞬発力で上がっていく! カスケードのすぐ後ろを走るアマゴワクチン、ニトロニクス、トゥーカッターたちにあっという間に並んでしまった。マキバオーと初対決のトゥーカッターは驚きを隠せない。残すは200m、中山の上り坂だ。

6R 巨星堕つ。マキバオー、有馬を制し、ついに日本最強馬の称号を手に

坂を駆けるカスケード、しかしとうとう体が悲鳴をあげ始めヨレてしまう。マキバオーだけではなく、アマゴワクチンなどにも故障していることがわかってしまう。しかし、それでもアマゴワクチンもニトロニクスもトゥーカッターも、甘いマキバオーとは違い、全力でカスケードを倒しにかかる。各馬とも、カスケードの想いを理解しており、だからこそ高い壁を乗り越えようと必死だ。

しかし、カスケードへの挑戦者は決まった。もちろんマキバオーだ。誰よりもカスケードと死闘を演じてきただけに、その座は他馬に譲れない。中山の上り坂を一気に駆け上がり、カスケードに並ぶ。ようやく本来の走りを披露したマキバオーに、カスケードは「・・・おせえんだよ・・・」と、顔は苦痛に歪みながらもどこか嬉しそうな表情を浮かべる。

そしてマキバオーは叫ぶ。

「お前は世界最強の競走馬なんだ!! 誰にも負けちゃいけない馬なんだ!!! (中略)引退してもお前の伝説は語り継がれる。みんなの記憶に残り続ける!! 伝説は僕が引き継ぐんだ・・・・・・。あのカスケードのライバルはこんなにもすごい奴なのかって、そう世界中の競馬ファンに見せてやるんだ!!!」

カスケードは、マキバオーが自身の想いを受けとったことがわかると、まるで燃え尽きたかのように脱落。帝王・カスケードにも落日の瞬間が訪れたのだ。しかし、マキバオーとカスケードの戦いは終わらない。マキバオーの目には、前を走るカスケードの黒い幻影が映っていた。

マキバオーはカスケードの幻影を追いかける。その幻影と一頭の末脚は圧倒的で、もはや他馬の追随を許さない。そしてついに幻影をも追い抜いた! マキバオーはカスケードに完全勝利して、中山のゴール板を一番で走り抜く。しかも、タイムは中山のコースレコード、名実ともに日本最強馬の称号を得たのだった。

マキバオーの雄姿に、馬主の飯富源次郎は泣き崩れ、調教師の飯富昌虎もまた「やった・・・またやってくれおった・・・チュウ兵衛よ見てるか・・・もう文句あるめえ・・・日本一だあああ!!!」と泣きながら、天国のチュウ兵衛に報告。カスケードに引導を渡し、マキバオーが名実ともに日本一の称号を得たこの一戦こそ、伝説の名勝負と呼ぶのにふさわしい。この一戦をもって、『みどりのマキバオー』の名勝負は完結。

参照:BSマンガ夜話「みどりのマキバオー」

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