日本中にグルメブームを巻き起こした社会派マンガ。 主人公・山岡士郎が、自身が勤める東西新聞社の創立100周年記念企画“究極のメニュー”の担当者となり、同僚の栗田ゆう子とともに究極の美味を探求する。 山岡と栗田が究極のメニュー作りを進めるなか、ライバルの帝都新聞社も“至高のメニュー”作りを開始し、 総指揮に書家、陶芸家として当代一の名声をほしいままにし、現代最高の食の達人と評される山岡の実父・海原雄山が就任する。 程なくして究極のメニューと至高のメニューは週刊誌上で対決することになったのだが、海原の実力は凄まじく、山岡は幾度も敗北を味わわされることとなる。 果たして山岡は、そびえ立つ海原の牙城を崩すことができるのか・・・。
第1戦に続き第2戦も美味しんぼネタ。前回紹介したテンプラ対決以降、サバ、会席料理、牛肉、トマト、冷やし中華といった私闘を繰り広げていた山岡と海原であるが、第15巻にしてその私闘が、東西新聞社vs帝都新聞社の威信をかけた全面戦争へと発展することに。 ある日の朝、山岡が二日酔いをこらえて出勤すると、ヒステリーを起こした富井副部長が山岡に飛び掛る。山岡は富井から鉄拳制裁を浴び、社主の大原の部屋へと急行させられる。山岡が大原の部屋に入ると、血相を変えた大原と編集局長の小泉、浮かない顔をした部長の谷村と同じ究極のメニュー担当者の栗田が待っていた。
山岡が何事かと訝しがっていると、帝都新聞を突きつけられ、帝都新聞が「至高のメニュー」作りを始めること、そして海原雄山が監修することが告げられる。 帝都新聞に企画を盗まれた責任を取るため谷村、山岡、栗田が辞職を申し出るが、社主の大原は責任を取る覚悟があるならば、 帝都新聞は毎月小出しに至高のメニューを発表するとしているため、東西新聞も毎月究極のメニューを発表し、「内容で帝都新聞を圧倒するのだ」と厳命したのだった。 その数日後、東西新聞に究極のメニューも毎月第二週の日曜版に発表するという内容の社告が掲載された。
至高のメニューとの勝負が正式に決まったことで闘志を燃やす山岡の一方、海原の恐ろしいまでの実力を熟知し畏怖の念すら抱いている栗田は、スパイ行為により第一回目の至高のメニューの全貌を知ろうとするも失敗。 しかし驚くことに、栗田によるスパイ行為を完全に見抜いていた海原はあえて、第一回目の至高のメニューは卵を使った前菜であると情報を漏らし、究極のメニューとの真っ向勝負を受けてたつ姿勢を見せたのだ。それを伝え聞いた山岡は、究極のメニューも卵を使った前菜で戦いに挑むことを決心する。 そして小学館の週刊誌「週刊タイム」の提案により、審査員が究極のメニューと至高のメニューを食べ比べ、優劣を競うことに決定。こうしてついに、究極のメニューvs至高のメニューの舞台がすべてととのったのだった。
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いよいよ究極のメニューvs至高のメニューの記念すべき開幕戦。先攻は究極のメニュー。山岡が用意したのはゆで卵にトリュフソースをかけて食べる料理で、事前の試食会では社主の大原から「いかに海原雄山とても、これをしのぐ卵の前菜はそう簡単には作れんだろう」と絶賛された自信作だ。 この料理を食べた審査員一同も「素晴らしい!」「なんとぜいたくな!!」「これは前菜なんてもんじゃない!!」と手放しに賞賛し、究極のメニュー側は手ごたえありのしたり顔の表情だ。しかし海原雄山は余裕の表情であり、敏感な栗田はこれから出される至高のメニューの一皿に恐怖感をおぼえる。
そして今度は後攻めの至高のメニューの卵の前菜、黄身の味噌漬けが運ばれる。あまりにありふれた料理であるが、一口食べて一同は驚愕。審査員の一人が「トリュフソースのゆで卵も美味しいと思ったが、これに比べると品がないっ!!」と思わず叫ぶほど、うまさの差は歴然としていた。 「まさにこれこそ至高の味」「勝負はついたっ!」とまで言わしめ、勝負は誰の目にも明らかとなった。
この卵の味噌漬けはすべての素材が徹底的にこだわり抜かれており、まず使用した味噌は、原料の大豆から選び抜かれているうえに、黄身の味噌漬けを作るのに適した年数だけ熟成させた一品なのだ。 そしてなによりもここまでのうまさを実現できたのは卵のおかげであり、自然養鶏で育てた、産卵数は少ないものの卵の味が濃い鶏の初卵を使っているのだ。山岡は初卵どうこうは卵の味と関係ないと反論するが、海原は一笑に付す。
「人間はどうやって初卵を手に入れるか・・・・・・鶏を飼っている人間が、一羽一羽の鶏をずっと注意深く見守っていなければ出来ないことだ。今にも産みそうな時期にもなると、それこそ一日中目が離せない・・・・・・
それほど注意深く育てられてきた鶏の卵は、初卵であろうとなかろうと、その中身は素晴らしいに決まっている。完璧な健康状態にあるようにと、見守られ続けてきた鶏の産んだ卵なのだからな!」
と簡単に山岡を論破。さらに海原の勢いは止まらない。
「料理の技法をうんぬんする以前に、どれだけ本物の材料を求めることが出来るか、それを極限まで追求していって得た物を、後世の者に残し伝えることこそが、『究極のメニュー』なり、『至高のメニュー』なりを作る目的であるはずだ!
本質を追求せず、表面的な口当たりのよい料理で、人間を一時的に喜ばせることは出来る・・・・・・しかし、人の心を感動させることは出来ぬ。
人の心を感動させるのは唯一、人の心をもってのみ出来ることなのだ。それを忘れて、『究極のメニュー』とやらを求めてみても、それはただのグルメごっこ、悪質で愚劣な遊びに過ぎない!!」
とグウの音も出せないほど山岡を打ちのめしたのだった。あらかじめ手の内を明かしたうえでの完封劇、海原雄山恐るべしである。
勝負は決まったと思われたが、ここで審査員の一人で海原雄山の師にして山岡を孫のようにかわいがる唐山陶人から待ったが入った。海原が用意した卵を使えば、究極のメニューの料理は負けていないというのだ。 当然、帝都新聞から判定不服の声があがるが、海原は師の顔を立て、取り直しを了承し、卵を究極のメニューに提供することを約束する。
クビの皮一枚つながった山岡であるが、実はこの勝負によってゆで卵のトリュフソースをさらに洗練できる秘策を思いついていたのだ。 そしてこの秘策によって山岡は、執念の巻き返しをみせることになる。
取り直し勝負の日、山岡が一同の前に出したのはトリュフソースの器のみ。スプーンでソースをすくうと暖められた卵の黄身だけが入っていた。
「!」
このゆで卵のトリュフソースは一同の度肝を抜くうまさであり、黄身の味噌漬けのさらにうえをいく一品に仕上がっていた。卵の白身を抜くことで、舌ざわりの悪さと味の薄まりを改善したのだ。 さすがの海原もこの料理の出来は認めざるを得ず、ドローの裁定結果に異を唱えることができなかった。山岡は見事に一矢を報いてみせたのだった。 海原の圧勝かと思われたが一転、取り直しのうえ見事な巻き返しをみせた山岡の執念、この究極のメニューvs至高のメニューの開幕戦はまさに名勝負と呼ぶのにふさわしい。
第1戦 美味しんぼ 第1巻 第6話「油の音」 山岡士郎vs海原雄山
第2戦 美味しんぼ 第15巻 第1話「究極vs至高」 山岡士郎vs海原雄山
第3戦 美味しんぼ 第24巻 「カレー勝負」 山岡士郎vs海原雄山
第4戦 美味しんぼ 第31巻 「鍋対決!!」 山岡士郎vs海原雄山
第26戦 皇帝・エメリヤーエンコ・ヒョードルの世界を驚嘆させた一戦 vsアンドレイ・アルロフスキー
第25戦 エメリヤーエンコ・ヒョードルの世界を驚嘆させた一戦 vsミルコ・クロコップ
第24戦 エメリヤーエンコ・ヒョードルの世界を驚嘆させた一戦 vsアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
第23戦 エメリヤーエンコ・ヒョードルの世界を驚嘆させた一戦 vsアローナ、ババル
第22戦 桜庭和志の記憶に残る一本勝ち vsゼルグ・弁慶・ガレシック
第21戦 桜庭和志の記憶に残る一本勝ち vsヘンゾ・グレイシー
第20戦 桜庭和志の記憶に残る一本勝ち vsカーロス・ニュートン
第19戦 桜庭和志の記憶に残る一本勝ち vsマーカス・コナン・シウヴェイラ
第18戦 ミルコ・クロコップ衝撃的な敗戦 vsガブリエル・ゴンザーガ
第17戦 ミルコ・クロコップ衝撃的な敗戦 vsケビン・ランデルマン
第16戦 ミルコ・クロコップ衝撃的な敗戦 vsアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
第15戦 みどりのマキバオー 第12巻 年度最強馬決定戦!有馬記念
第14戦 みどりのマキバオー 第10&11巻 4歳三冠最終戦、菊花賞
第13戦 みどりのマキバオー 第8巻 最強4歳馬決定戦!死闘、日本ダービー(東京優駿)
第10戦 みどりのマキバオー 第3巻 マキバオーvsニトロニクス
第9戦 みどりのマキバオー 第2巻 カスケードvsピーターⅡ
第8戦 みどりのマキバオー 第2巻 マキバオーvsヒゲサンダー
第7戦 みどりのマキバオー 第1巻 マキバオーvsカスケード
第6戦 美味しんぼ 第38巻 「ラーメン戦争」 山岡士郎vs流星一番亭
第5戦 美味しんぼ 第32巻 「新・豆腐勝負」 山岡士郎vs海原雄山
第4戦 美味しんぼ 第31巻 「鍋対決!!」 山岡士郎vs海原雄山
第3戦 美味しんぼ 第24巻「カレー勝負」 山岡士郎vs海原雄山
第2戦 美味しんぼ 第15巻 「究極vs至高」 山岡士郎vs海原雄山
第1戦 美味しんぼ 第1巻 「油の音」 山岡士郎vs海原雄山