日本中にグルメブームを巻き起こした社会派マンガ。 主人公・山岡士郎が、自身が勤める東西新聞社の創立100周年記念企画“究極のメニュー”の担当者となり、同僚の栗田ゆう子とともに究極の美味を探求する。 山岡と栗田が究極のメニュー作りを進めるなか、ライバルの帝都新聞社も“至高のメニュー”作りを開始し、 総指揮に書家、陶芸家として当代一の名声をほしいままにし、現代最高の食の達人と評される山岡の実父・海原雄山が就任する。 程なくして究極のメニューと至高のメニューは週刊誌上で対決することになったのだが、海原の実力は凄まじく、山岡は幾度も敗北を味わわされることとなる。 果たして山岡は、そびえ立つ海原の牙城を崩すことができるのか・・・。
第5戦もお馴染み美味しんぼ。今回がMaioka FC でお届けする最後の山岡士郎vs海原雄山。山岡は前回の鍋対決で完膚なきまでの敗北を喫したことにより、海原雄山の鼻を明かす機会を虎視眈々と狙っていた。 そこで山岡はずっと取り組んでいた究極の豆腐により海原雄山と決着をつけようと画策を始め、大研社社長の団一郎を馴染みの岡星に呼び出す。 団はそこで「豆腐のチェダーチーズはさみ揚げ」「豆腐の味噌漬け」「豆腐の含め煮」を試食し、その信じ難いほどうまい豆腐に衝撃を受ける。
「かつて豆腐を題材にして『究極』対『至高』の対決をしたことがある。でもあの時は汲み出し豆腐とザル豆腐という豆腐の原点の味の争いになってしまって、 今日出したような豆腐を材料とした料理の出る幕がなかった・・・・・・それではどうしても不満が残る。だから今度は、こんな具合に豆腐を材料にした料理で闘いたい。
(中略)団さん、海原雄山を挑発してほしいんです。『究極のメニュー』対『至高のメニュー』の対決を再度豆腐を題材にしてするように・・・・・・」
と山岡は団に申し出る。団はさっそく海原を訪問し岡星でのいきさつを話す。海原はにわかには信じ難いという表情を浮かべたものの、豆腐料理での勝負を了承する。
山岡は豆腐での対決が決まると、岡星の弟で海原雄山が主宰する料亭「美食倶楽部」で椀方を務める岡星良三を通じて、山岡が完成させた究極の豆腐の情報をリークする。 良三は後輩で豆腐屋のせがれである島野徳一とともに、山岡からの情報をもとに究極の豆腐を完成させ、海原に提出する。試食をした海原は、
「徳一が作ってきた、この三つの豆腐を味わって、私は今までいかに豆腐料理を安易に考えていたか思い知らされた。あまりに日常的な材料ゆえに、豆腐をやはり軽んじていたのではなかったか・・・・・・海原雄山、汗顔の至りだ。
この三つの豆腐、私の想像力をかき立てた。まさに『至高のメニュー』にふさわしい豆腐料理を作ることが出来るだろう」
と賛辞と驚嘆の言葉を良三と島野徳一に贈ったのである。その豆腐が究極の豆腐と同一であるとも知らずに。それを聞きつけた栗田は「間接的にだけど、山岡さんは自分の手を海原雄山にさらしたことになるわ・・・・・・」と心配するが、山岡は、
「前の豆腐勝負の時に、二木さん(山岡の同僚)がおチヨ(山岡の乳母)を使って、雄山が汲み出し豆腐を出すことを前もってさぐり出していたから、俺はザル豆腐で勝った。気分はスッキリしない。
今度は逆に情報を与えてやっておいて、しかも勝つ。これなら本当の勝ちだ。気分はスッキリする!」
と意に介さず、いよいよ勝負の時を迎えるのである。
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決戦の日、先攻の究極のメニューの豆腐料理から発表。山岡は「あんかけ豆腐」「豆腐の中華煮」「豆腐ステーキ」で勝負。究極の豆腐を食べた審査員たちは、あまりのうまさに驚愕し、賛辞の嵐を贈る。しかし究極の豆腐に一番驚き、狼狽していた男がいた。そう海原雄山である。 あんかけ豆腐を一口食べ、究極の豆腐は良三と島野徳一が作ってきた豆腐と同一であることを確信。海原は山岡に踊らされてしまっていたことに気が付くのである。このままでは威信が保てない海原は、栗田が究極の豆腐について説明を始めようとした時、「待てい! この勝負中止する!」と待ったを申し出るのである。
この段になって、海原から突然中止を申し出られた一同は困惑し、海原に説明を求める。
「なぜなら前回の豆腐勝負は汲み出し豆腐とザル豆腐という、料理法ではなく豆腐そのものの勝負だった。だから今回は料理法で勝負をしたいというのが、再戦を申し込んできた『究極』側の言い分だった。ところが実際の勝負になると、彼らは究極の豆腐を作ったという。それでは再び豆腐そのものに重点をおくことになる・・・・・・話が違うではないか。
(中略)これはあきらかに事務局の失敗だな。料理法を競うというなら、事務局が両方に対して同一の豆腐を用意するべきであった」
と海原は『週刊ポスト』編集部を非難し、審査員からも正論と認められたため、後日、“豆腐作りも含めての豆腐料理”対決と、曖昧だったテーマを拡張し、リマッチを行うことが決定した。
何とか場をおさめ取り直しに成功した海原であったが、「士郎の奴、この私をコケにしおって・・・・・・」と怒りはおさまらず、
「もしあそこで勝負を中止しなかったら、審査員たちはわたしの豆腐が『究極』の側の豆腐と同じ味であることに気づいたろう。そこで士郎が、私の使った豆腐が『究極』側のと同じ物だと言ったら・・・・・・許せん・・・・・・!」
と冷や汗ものだった状況を思い返し、巨星・海原はひとり、山岡への逆襲を誓うのであった。
取り直し勝負、山岡は究極の豆腐料理の真価を深く理解してほしいという理由から、前回とまったく同じ料理を出す。相変わらず審査員たちから好評で、超絶なまでにうまい究極の豆腐の説明を求められる。 それに山岡は、「料理のための究極の豆腐とは、ある一つの特定の豆腐のことではなく、料理法に合わせて固さと味の成分をそれぞれに変えて、作るという思想のことなのです」と説明する。 この山岡の着眼点の素晴らしさに審査員たちは惜しみなく賛辞を贈り、依然として究極のメニュー側有利の印象付けることに成功する。怒れる巨星・海原は、黙って山岡の説明を聞いていたが、果たして何を思うか?
いよいよ至高のメニューの番。出てきた料理に会場はどよめきに包まれる。なんと究極のメニューとまったく同じ料理の「あんかけ豆腐」「豆腐の中華煮」「豆腐ステーキ」が運ばれてきたのだ。 この異常事態に海原の師である唐山陶人が「おいおい雄山、これはおふざけかい」と茶々を入れるが、本当の驚きは一口食べた後に待っていた。 「うは! この味の差!」「おほお! これはおふざけどころか! 同じ料理なのに『至高』の方が美味しい!」「味が軽くて純粋! なんとも上品な味!」と審査員たちは口々に賛辞を贈り、山岡は「しまった・・・・・・!」と焦りを隠せない。
「先日勝負のやり直しとなった時、先に手の内を見せた『究極』側が不利だという声が上がった。それで今回、我われは前回、『究極』側の作ったのと同じ料理を作ることにした。 ところが『究極』側はよほど自信があるらしい・・・・・・同じ料理を出すことでかえって『至高』と『究極』を厳しく比較させせることとなった」
と海原は話し、至高と究極で味の差が出た原因をゆっくりと説明を始めたのである。
「『究極』の側の豆腐の作り方はこうだ。大豆を水とすりつぶし、煮てからこして豆乳とオカラに分ける。煮てから豆乳を取るので“煮取り法”ともいう。一方我われは大豆に水を混ぜて、すりつぶしてそのままこす。生のオカラと生の豆乳が出来る“生取り法”ともいう。
我われの作り方“生取り法”の場合は、豆乳に取った後で煮る。豆乳だけを煮るから、極めて純粋で上品で優雅で軽やかな味に仕上がる。“煮取り法”の場合オカラも一緒に煮る。だから味も濃い代わりに豆の皮なども煮ることになって余計なアクも出る」
一工程工夫しただけでここまで味の差を生み出した海原に審査員たちは驚嘆するが、先に手の内を見せていた究極側の不利を鑑みられ、裁定は引き分けとなった。 山岡と栗田は勝ちを確信していただけに悔しさを隠せず、一方、海原は鬼神の表情を崩さない。
数日後、一人自室で酒を飲む海原。
「私は少なくとも勝ったとはいえんな・・・・・・こんな日が来るとは・・・・・・士郎の奴めが・・・・・・」
と、山岡の成長を感じ取った海原は万感胸に迫った表情を見せるのであった。山岡が海原に肉薄したこの一戦こそ、伝説の名勝負と呼ぶのにふさわしい。
第1戦 美味しんぼ 第1巻 第6話「油の音」 山岡士郎vs海原雄山
第2戦 美味しんぼ 第15巻 第1話「究極vs至高」 山岡士郎vs海原雄山
第3戦 美味しんぼ 第24巻 「カレー勝負」 山岡士郎vs海原雄山
第4戦 美味しんぼ 第31巻 「鍋対決!!」 山岡士郎vs海原雄山
第26戦 皇帝・エメリヤーエンコ・ヒョードルの世界を驚嘆させた一戦 vsアンドレイ・アルロフスキー
第25戦 エメリヤーエンコ・ヒョードルの世界を驚嘆させた一戦 vsミルコ・クロコップ
第24戦 エメリヤーエンコ・ヒョードルの世界を驚嘆させた一戦 vsアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
第23戦 エメリヤーエンコ・ヒョードルの世界を驚嘆させた一戦 vsアローナ、ババル
第22戦 桜庭和志の記憶に残る一本勝ち vsゼルグ・弁慶・ガレシック
第21戦 桜庭和志の記憶に残る一本勝ち vsヘンゾ・グレイシー
第20戦 桜庭和志の記憶に残る一本勝ち vsカーロス・ニュートン
第19戦 桜庭和志の記憶に残る一本勝ち vsマーカス・コナン・シウヴェイラ
第18戦 ミルコ・クロコップ衝撃的な敗戦 vsガブリエル・ゴンザーガ
第17戦 ミルコ・クロコップ衝撃的な敗戦 vsケビン・ランデルマン
第16戦 ミルコ・クロコップ衝撃的な敗戦 vsアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
第15戦 みどりのマキバオー 第12巻 年度最強馬決定戦!有馬記念
第14戦 みどりのマキバオー 第10&11巻 4歳三冠最終戦、菊花賞
第13戦 みどりのマキバオー 第8巻 最強4歳馬決定戦!死闘、日本ダービー(東京優駿)
第10戦 みどりのマキバオー 第3巻 マキバオーvsニトロニクス
第9戦 みどりのマキバオー 第2巻 カスケードvsピーターⅡ
第8戦 みどりのマキバオー 第2巻 マキバオーvsヒゲサンダー
第7戦 みどりのマキバオー 第1巻 マキバオーvsカスケード
第6戦 美味しんぼ 第38巻 「ラーメン戦争」 山岡士郎vs流星一番亭
第5戦 美味しんぼ 第32巻 「新・豆腐勝負」 山岡士郎vs海原雄山
第4戦 美味しんぼ 第31巻 「鍋対決!!」 山岡士郎vs海原雄山
第3戦 美味しんぼ 第24巻「カレー勝負」 山岡士郎vs海原雄山
第2戦 美味しんぼ 第15巻 「究極vs至高」 山岡士郎vs海原雄山
第1戦 美味しんぼ 第1巻 「油の音」 山岡士郎vs海原雄山