UFCで日本人が勝てない理由

2014.04.12

カテゴリー:格闘技の話題

川尻達也選手がクレイ・グイダに判定負けした。ジャッジの全員が30-27を付けたから、完敗といっていい。

今のところ、UFCで活躍している日本人は水垣偉弥選手ぐらいのもので、過去には岡見勇信選手が活躍したけれど、日本のMMAファンからしたらなんとも寂しい状況だ。

ではなぜ、日本人選手がUFCで活躍できないのだろうか?

一番の理由は、単純であるがレベルの違いだ。UFCの選手層は、レスリング大国のアメリカと柔術大国のブラジルの選手たちが多数を占め、もとより格闘スキルが備わり強いうえにMMAを学び、しかもUFC以外の試合で削りあった結果、勝ち残った選手たちがUFCに参戦しているのだ。

いくら日本国内で実績があったとしても、簡単に勝てるわけがない。残念ながら。

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そしてもうひとつ理由がある。

過去の日本は世界一のMMAマーケットであり、UFCに参戦している(過去に参戦した)選手の多くが、キャリアのピークを日本の試合で迎えている。

例えば今回の川尻選手もそうだ。彼のキャリアのピークはDREAMで迎えていて、UFCに参戦している現在、すでに35歳の大ベテランだ。

今まさにキャリアのピークを迎えている強豪との試合は、川尻選手といえども簡単には勝てない。同程度の実力なら、若くスタミナがあり回復力に優れる選手が勝つに決まっているのだ。

このことは、日本人選手に限らず、かつてPRIDEで活躍した重量級の選手たちも同じだ。

ミルコ・クロコップやアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、ヴァンダレイ・シウバなどは軒並み思ったような活躍ができていないし、UFCには参戦していないが、皇帝とまで呼ばれたエメリヤーエンコ・ヒョードルでさえ、アメリカでは日本ほどの活躍はできなかった。

彼らが実力不足だったわけではなく、彼らのピークはPRIDEで迎えていたため、UFCでは最高のコンディションやモチベーションで臨めていないのだ。

現在活躍している水垣選手や、過去に活躍した岡見選手はピークを日本の試合で迎えてはいない。彼らは早くからアメリカでの試合を希望し、まさにピークをUFCで過ごしている。だから他の選手と比べ、試合で良い結果を残すことができる。

現在の日本のMMA界、修斗やDEEP、パンクラスが大きなMMA団体として活動しているが、規模は数年前の数分の一まで縮小した言わざるをえない。

しかし、数年後には、日本がかつて世界で一番のマーケットであった頃に活躍した選手たちの弟子が、UFCに限らず世界の大きなマーケットで大活躍する時代がきっと来ると期待している。

日本のMMA選手の実力が、世界に決して劣らないということを証明してほしいと心から願っている。


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井上尚弥、日本最速で世界王者に

2014.04.07

カテゴリー:格闘技の話題

大橋ジムの井上尚弥選手が、たった6戦目で世界チャンピオンとなった。

井上選手は“モンスター”と呼ばれることに気恥ずかしさを感じているようだけど、モンスター以外の何ものでもない、というのが大方のボクシングファンの感想だ。

相手は世界チャンピオンである。1Rから勝負はほぼ見えていて、個人的感想を言わせてもらえば、完全にもてあそんでいた。相手が、とても世界チャンピオンとは思えないほど弱く見えたのだ。

井上選手は「足がつったから早い回で勝負に行った」というけれど、その気になればいつでも仕留められるだけの実力差が、世界チャンピオンを相手にしてあった。

だからか、アドリアン・エルナンデス選手よりも、田口良一選手や佐野友樹選手のほうがよっぽど強く見えた。つまり井上選手は、数ヶ月前よりも断然強くなり、一年前と比べればまるで別人なほど実力を上げたのだろう。

さて、こうなると見たいのが大阪の井岡一翔選手との試合だ。ちょっと気が早いかもしれないが、お互いのパフォーマンスが絶頂であるうちに、雌雄を決してほしいと思うのは贅沢すぎだろうか?

ともかく、井上選手には世界最強を目指して試合を続けてほしい。


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八重樫 東、KO防衛。次戦はいよいよロマゴンと!!

2014.04.07

カテゴリー:格闘技の話題

WBC世界フライ級チャンピオンの八重樫 東選手が、メキシコのオディロン・サレタ選手を挑戦者に迎え、9回に右フックでKO防衛を果たした。

と、書くと簡単にKOしたように思えるけど、相手のサレタ選手は決して弱いボクサーではなかった。

序盤は、挑戦者のリーチを活かした鋭いストレートに手を焼いた。八重樫選手はクリーンヒットは許さなかったけど、ガードの隙間から幾つか被弾していた。

序盤の4Rは八重樫選手も慎重に試合を進めていたから、手の位置が高く、挑戦者にガードを数多く叩かれてしまったのだ。

しかし、4R以降、八重樫選手は距離を取って戦う挑戦者に対し、素早い踏み込みで前に出て、左右のボディーでひるませ、顔面に幾度も拳をめり込ませた。

スピードで逃げる相手にはパワーボクシング、教科書どおりの戦い方だ。

挑戦者のサレタ選手は気性の荒いメキシカンの血が騒いだせいもあるのか、八重樫選手の攻勢に対して序盤の戦い方を貫くことができず応戦してしまい、9回、強烈な右フックを直撃されてリングに沈んだ。

それにしても八重樫選手の引き出しの多さには目を見張るものがある。

前回のエドガル・ソーサ戦は、強打を武器に前へ出てくる相手に対し、足を使ったアウトボクシングとここぞというときのパンチラッシュで完封してしまい、今回はリーチを活かして足を使う相手にパワーボクシングで圧殺してしまった。

とても、もともとミニマムウエイトを主戦場にしていた選手とは思えない多彩さだ。ミニマム級だった選手が、フライ級に階級変更してフィジカルで圧倒してしまうなんて、普通はありえない。

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さて、次戦はいよいよフライ級最強の男である、ローマン・ゴンサレス選手との大一番だ。いくら八重樫選手が強くても、普通に考えればロマゴンのKO勝利は揺るがない。

それほどまでに、ロマゴンは圧倒的に強い。過去、天才と呼ばれた新井田豊がまるで歯が立たずTKO負けしている。

ロマゴンが負ける姿はちょっと想像できないが、八重樫選手には何をやらかすかわからない意外性がある。わたしのような素人が想像もつかないボクシングでロマゴンを完封、なんてことをやってのけてしまうかもしれない。

ともかく、八重樫選手の世界チャンピオンとして君臨し続けることよりも、格闘家として世界最強を目指す姿勢には頭が下がる。

ここ十数年のボクシングは、世界チャンピオンになることだけを最優先にしている選手が多く、格闘技本来の醍醐味が失われつつあると思っていたけど、最近は西岡選手の敵地防衛や強い奴の誰とでもやる内山選手や山中選手の防衛戦、そして八重樫選手の台頭で一気に日本のボクシングが面白くなった。

だからこそ、八重樫選手が難攻不落のロマゴンに勝利して、これからも質の高いボクシングをファンに披露し続けてほしいと願うのだ。


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