村田諒太は強くなったの?
2016.01.31
カテゴリー:格闘技の話題
いやあ~、U-23のアジア選手権は優勝で終わりましたよ! 最高の試合内容でもう文句なしですな!
序盤は悲しくなるほど韓国チームに力の差を見せつけられたけれど、気持ちを切らさず後半にドドド~ンと3得点を上げての逆転勝利。選手たちもさることながら、手倉森監督の手腕は本物ですな!
サンフレッチェ広島の森保監督といい、同年代の日本人指導者が本当に素晴らしい! フル代表は日本人監督でそろそろやってほしいですよ、本当に。
さて、今回のテーマはサッカーではなくてボクシング。激戦区のミドル級で孤軍奮闘を続ける村田諒太選手についてなのですよ。
わたしはあまり村田諒太の戦い方が好きではなく、このブログでけっこう辛辣なことを言っているが、今回の試合内容はよかったと思う。
対戦相手がどれほどの選手かは不明。とはいえゴロフキンに似た構えとパンチの打ち方をしてくる相手に対して、最短距離で右ストレートで撃ち抜いたことは素晴らしい。
打ち下ろしのパンチは難しくなかなか当たらないものだけれど、しっかりと狙って当てていた。あの打ち方は相当に練習していたと思う。
ただやっぱりディフェンスが気になる。
相変わらずのガード一辺倒で、スウェーやダッキング、パーリングやストッピングといったディフェンステクニックはなく、ガードとバックステップだけの単調なものだった。
ゴロフキンの試合を見てもらえればわかるが、彼は強打ばかりが話題になるけれど実はディフェンス能力が非常に高い。パンチを見極める目に優れ、基本はスウェーでかわしてガードはあくまで最小限、そしてパーリングがとてもうまい。日本でいえば、ディフェンスの組み立ては内山高志にそっくりだ。
ガードがいけないのは、ガードの隙間からパンチは入ってくるし、ガードの上からでも当てられると効くもの。第一、打たれた腕が痛く、パンチが打てなくなってきてしまう。
要はジリ貧ということ。村田諒太は今戦っているレベルの相手にはそのディフェンスで通用しても、上を目指すのなら難しいと言わざるをえない。
原因としては、上半身に力が入り過ぎている。倒そうという気持ちが強いのか、それとも相手のパンチが怖いのかもしれないけれど、あれではダメ。
それに上半身に力が入っていると、相手のパンチをもらってしまうと、力が逃げにくく効きやすい。もっとリラックスした構えをしないと今後は壮絶なKO負けを喫してしまう可能性もある。
村田諒太は間違いなく日本人の中では一番強いし、もしかしたらチャンピオンになれるかもしれない逸材。年齢は若くないけれど、やっぱりKO負けをしないためにもディフェンスをもう少し磨いてもらいたい。
彼のパンチの強さは十分世界レベルなのだから。
※敬称略