解説
バイブレーションはシーバスやクロダイ、タチウオなどに効果的なルアーで、ボディーがプラスチック素材で作製されたプラグ型と、メタルジグのようにボディーがメタル素材で作製されたメタル型がある。どちらのタイプもアクションの基本は同じで、ボディーをキビキビと震わせながら泳ぐため波動を発生させることが特徴だ。プラグ型のバイブレーションはボディー内部にラトルが入っていることが多く、ボディー内部から発生したラトル音でも魚にアピールする。
また、他のプラグと比較して自重が重たいこともバイブレーションの特徴で、ミノーでは攻められない遠くのポイントを攻略したい場合や、ルアーを深場で泳がせたい場合に用いられることが多い。バイブレーションの素材による使い分けとしては、より遠投したい時や深場を攻めたい時はメタル、より魚にアピールしたい時はプラグ、という使い分け方が一般的。
代表的なバイブレーションとして、プラグ型はダイワのT.D.ソルトバイブとシーバスハンターバイブ 70S、デュエルのフィンテールバイブなどが人気となっている。メタル型はあまり種類がないのが現状で、ダイワのS.W.バイブジグやアイマのコウメ インフィニティーなどが割と流通しているモデルだろうか。
表層~中層をメインに攻めるシーバスのルアー釣りの場合は、バイブレーションの立ち位置はミノープラグに魚が反応しない状況時に使われる2次的使用が多いようだが、中層~深場を攻めることの多いクロダイやタチウオの場合は、バイブレーションがメインに使われることも多々あるようだ。いずれにしても、特定の魚を狙うのにバイブレーションだけが使用されることはあまりなく、ミノープラグやメタルジグ、ワームなどとともに、ルアー釣りのひとつの選択肢とされることがほとんど。
ルアーとしての実力は非常に高く、特にリールを素早く巻く、いわゆる早巻きでのアピールが真骨頂といわれている。この早巻きでのバイブレーションのアピール力は絶大で、ミノープラグやワームには見向きもしなかった魚が反射的に食い付いてくることがある。以前、プロルアーマンに聞いた話では、突如としてバイブレーションでしか魚が釣れなくなる場面もけっこう多いんだそう。そういう状況に対応するためにも、バイブレーションは最低でも数個は揃えておきたい実力派のルアーなのだ。