解説
ショアジギングで使用されるギリギリの重さである80g台までのメタルジグを「ショアジギング専用」、それ以上のサイズを「オフィショア専用」というざっくりとした分け方をした。なぜかといえば、ショア用、オフショア用を厳密に区分けしている製品がいくつもなく、各社ともある程度すべてを想定したオールマイティーなモデルをリリースしていることが多いため。
釣り人としてはメーカーが厳密に区分けしてくれたほうがセレクトしやすいが、逆に考えればメタルジグは重さによりショア用、オフショア用をセレクトすればいいということ。あまり頭を使わず、軽ければキャスティング、重たければ船の沖釣りとざっくり思っておけばいい。それだけ汎用性の高いルアーなのだ。
おすすめするメタルジグはXESTAのアフターバーナーや、
アグラームなど。
ショア用もオフショア用もテスター自らが開発に携わっており、ユーザーが求める機能やカラーを、お手頃価格で具現化している。また、ダイワのファントムIIIもキャスティング用のメタルジグとして実績があり、不動の人気を得ているモデルだ。
メタルジグを使ったルアー釣りのことを“ジギング”といい、メタルジグはキラキラビカビカしたメタルボディーにアクションを加えることで、いかにも死にそうな弱りきった魚を演出したり、逃げ惑う小魚を演出したりして魚を掛けるルアーだ。魚が条件反射的に口を使ってしまうルアーとも言われている。
キャストやフォーリング後、大きく竿を煽りながらリールを巻いたり、竿を小刻みに動かしながら巻いたりと、いかにして魚にアピールするアクションをつけられるかがキモ。また、場合によってはそのアクションが魚が釣れない要因ともなりうるため、ただただリールを巻くタダ巻きも有効なアクションとなる。
ということは釣り人の腕がより試されるルアーともいえ、同じポイント、同じ水深、同じメタルジグを使っているのに、釣果に雲泥の差が出てしまうことも多い。また、ルアー釣りのなかでも体力を激しく使う部類に入り、長時間ジギングを続けるには相当な体力が必要となる。特にオフショアで100g以上のメタルジグを使う場合、腕だけではなく足腰も意識して体全体でアクションを加えないと、あっという間に疲弊してしまう。それだけに一本出た時の喜びは大きい。
様々なルアー釣りがあるなかでも、ジギングは青物を釣るのに適しており、特にカンパチはジギングの好ターゲットとなっている。そのためビッグサイズのカンパチが回遊する海域ではジギングが盛んで、100g以上のデカいメタルジグに1m級のカンパチが掛かることはざら。1m級のカンパチが仮に掛かれば、とんでもない魚の引きが味わえることだろう。引きもさることながら、魚が掛かった時の“ガツン!”という派手なアタリはたまらないものがある。
メタルジグは青物以外にも、シーバス、タチウオ、ヒラメ、マゴチ、ハタ類など、フィッシュイーターといわれる魚ならほぼすべてがターゲットとなる幅の広い釣りなのだ。