刺し身という料理は旨味、歯応え、風味の三重奏であり、そのすべてが揃わないと最高においしいとは言えない、なかなかに素材を選ぶ調理法です。

特に刺し身の個性を色付けるのは風味で、どんなに旨味の強い魚介でも風味に乏しいものは、刺し身のランクとしては一枚落ちになってしまいます。

さて、好き嫌いはあれど最高の個性を放つサザエの刺し身
西伊豆・戸田港の魚重食堂で注文したサザエの刺し身

西伊豆・戸田港の魚重食堂で注文した一品で、ド級サザエを二個使用して1,000円程度とめちゃリーズナブル。

しかしこの一皿の真髄は値段などではなく、目の前の海で上がった鮮度抜群のサザエを使っていること。鮮度が良いと風味が最高潮に保たれており、歯応えはもちろんのこと、旨味も十分です。

新鮮サザエのゴリゴリとした強い歯応えはアワビの比ではなく、口に入れてすぐに感じる強烈すぎる磯の風味、噛むほどに感じられる貝ならではの旨味と甘味にヤられてしまう~。

そして鮮度抜群だからこそ、身はヌメッとしたヌルに覆われているのに生臭さはなく、口に運ぶのがちょっと怖い見た目の肝も濃厚かつ鮮烈で最高のおいしさです。

サザエは壺焼きも最高だけれど、刺し身もやっぱり最高の貝だと思います。




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